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販売業を営む当社は、メーカーであるA社から継続的に商品を購入していましたが、突然B社から、A社の当社に対する売掛債権を譲り受けたので、B社に直接支払うよう求められました。当社としては、どうしたらよいでしょうか。
取引先との契約内容、取引先に対する債権を確認してから対応しましょう。
知らない会社から買掛金の支払を求められた場合であっても、直ちに支払う必要があるとは限りません。特に、通知書に「債権譲渡登記済み」と記載されている場合でも、まずは内容を確認し、落ち着いて対応することが重要です。
債権譲渡登記とは、売掛金などの債権が第三者に譲渡されたことを法務局に登記する制度で、譲り受けた会社(本件ではB社)が、自らが正当な債権者であることを第三者に対して主張するためのものです。もっとも、債権譲渡登記がされているからといって、買主が必ずその第三者に支払わなければならないというわけではありません。
まず、取引先A社との契約内容を確認してください。
継続的な売買契約書や基本契約書の中に、売掛債権を第三者に譲渡することを禁止する「債権譲渡禁止特約」が定められていないかを確認します。このような特約がある場合、原則として、自社は従来どおりA社に商品代金を支払えば足り、第三者であるB社に支払う必要はありません。ただし、B社がその特約の存在を知らず、かつ知らなかったことについて重大な過失がない場合には、例外的にB社への支払いが必要となることがあります。
次に、A社に対する自社の金銭債権の有無を確認してください。
たとえば、取引保証金を差し入れている場合や、過払い金、返品・値引きによる返金請求権がある場合には、B社からの請求に対して相殺を主張できる可能性があります。相殺が認められれば、実際に支払う金額を抑えることができ、資金流出の防止につながります。
また、安易に支払いや承諾をしないことも重要です。
十分な確認をしないまま「異議ありません」などと回答すると、後から相殺などの主張ができなくなるおそれがあります。通知を受けた際には、「内容を確認の上、回答する」など、異議を留保した形で慎重に対応してください。
このように、債権譲渡登記がされている場合であっても、支払義務の有無は契約内容や自社の状況によって異なります。判断に迷う場合には、早めに専門家の助言を受けることをおすすめします。
(回答日:2026年2月27日)