大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の事業承継におけるトラブルとその予防策について

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  • 中小企業の事業承継におけるトラブルとその予防策について

    私は、小さな株式会社を経営しております。現在長男を後継者として指導・育成しております。円滑な事業承継のために、他におこなうべきことがあるでしょうか。

    遺言書の作成をするとともに、会社の株式の帰属状況に注意する必要があります。


    事業承継のためには、後継者を指導、育成する必要がありますが、それだけでは不十分です。
    現経営者の亡き後、後継者が事業へ集中できる環境を作っておく必要があります。
    1 遺言書の作成
    遺言書を作成していない場合、経営者の資産は、経営者の死亡後相続人間で共有となります(但し預貯金を除く)。相続人間での遺産分割協議がまとまらない場合、後継者が事業に必要な株式や事業所資産を手にすることができない事態が長期化することになります。遺言書がなく、遺産分割協議ができない場合、遺産分割調停や審判で解決することになるのですが、被相続人が亡くなられてから2,3年しても解決しない事案もあります。かかる事態を防止するためにも、遺言書を作成して、経営者の意思を明示的に残すことは必須といえるでしょう。
    もっとも、単に遺言書を作成するだけでは、事業承継についてのトラブルを防止することはできません。日付の異なる自筆証書遺言書が2通作成されていたことから、事業承継に関連して会社が分裂してしまうような事態も発生しています。遺言書はなるべく、公証人関与のもとで作成する公正証書遺言書を作成して、後に遺言無効を主張されるリスクをなるべく少なくしておくべきでしょう。
    さらに、遺言書の内容についても、相続人の最低限の取り分として法で定められている遺留分に注意する必要があります。
    2 株式の分散防止
    株式が分散していますと、後継者が安定して事業を経営していくには、相続発生後には、後継者が、会社の発行済み株式総数のうち過半数の株式を所有しておくべきです。可能であれば、3分の2以上の株式があったほうが良いでしょう。しかし、株式が分散していると、上記株式数を確保できない可能性が高まります。そこで、株式の分散を防止する策を講じる必要があるわけです。会社の定款に株式の譲渡制限を定める規定がなければ、これを入れたり、現在の経営者が存命中に、分散している株式を買い取ったりすることで、株式の分散の防止を図るべきです。

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