今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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ウェブサイト制作で大幅な納期遅延と品質不良が発生し、修正対応も滞っているため、業者の不誠実な対応に不信感を抱いています。契約を解除し、既払金の返還を求めたいです。納期遅延や成果物の不備を理由とした解除と代金の返還を求められますか。
解除と代金の返還ができる可能性があります。
1.契約不適合責任に基づく請求
ウェブサイト制作委託契約の法的性質は、一般的には請負契約であると位置づけられることが多いでしょう。本稿では、請負契約を念頭において回答します。
さて、納品されたウェブサイトの内容が品質不良、つまり契約内容と異なる場合、民法上「契約不適合」であるとして扱われます。この場合、注文者には以下の権利が認められます。
① 履行の追完請求(修補請求)
これは、契約上予定された内容のウェブサイトへの修正を求める権利です。まずは業者に対し、相当の期間を定めてウェブサイトの修正(修補)を請求します。
②代金減額請求
①の修正(修補)がなされない場合、代金の減額を求めることができます。
③ 契約解除権と代金返還
修正を求めたにもかかわらず期間内に対応がない場合、契約を解除できます(催告解除)。ただし、不適合が「軽微」である場合は解除までは認められません。
また、業者が修正を明確に拒絶した場合や、納期の遅れによりもはや契約の目的が達せられなくなった場合は、直ちに解除が可能です(無催告解除)。
解除が認められれば、契約は初めからなかったことになります。既払代金の全額返還を請求でき、残代金の支払義務も消滅します(原状回復義務)。
④ 損害賠償
品質不良(つまり契約不適合)はもちろん、納期遅延も契約違反です。したがって、この契約違反(債務不履行)につき、業者に過失などの帰責事由があり、また契約違反によって発注者に損害が発生しているのであれば、上記①〜③とは別に損害賠償請求も可能です。
2.通知期間の制限と対応策
請負契約における契約不適合の責任を追及するには、不適合を「知った時から1年以内」にその旨を業者に「通知」する必要がある点には注意してください。まずは内容証明郵便等で「通知」をするとともに追完を求める催告を行い、対応がなければ契約解除の通知をすることになるでしょう。
(回答日:2026年2月27日)