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事業継続について、事業継続マネジメント(BCM)と事業継続計画(BCP)という言葉を良く聞きますが、これらは同じ意味のものでしょうか?
事業継続計画は事業継続マネジメントの一要素にすぎません。
まず、それぞれの用語の定義としては、
事業継続マネジメント(BCM)
「組織を脅かす潜在的なインシデントを特定し、主なステークホルダー、評判、ブラン
ド、及び価値生成活動の利益を保護する効果的な対応のために、レジリエンシーを高め
るフレームワークを提供する総合的なマネジメントプロセス」(英国事業継続協会:事業
継続マネジメント実践ガイドライン)
すなわち、「事業を継続するための活動を管理する仕組み」と言えます。
事業継続計画(BCP)
「事業活動の再開を促進することを通じて事業を中断(混乱)させるインシデントへの
組織全体の対応を束ねるもの」(英国事業継続協会:事業継続マネジメント実践ガイドラ
イン)
すなわち、「事業中断時における行動指向的な計画」と言えます。
以上のことから、“事業継続計画:行動指向的な計画”はあくまで“事業継続マネジメント:事業を継続するための活動を管理する仕組み”を構成する一要素であることがわかります。(実際は事業継続計画(BCP)の他にもインシデントマネジメント計画や活動対応計画などの様々な役割をもった各種の計画によって事業継続マネジメント(BCM)が構成されています。)
日本においては事業継続計画(BCP)という一要素が注目され、言葉としても一般的に認知されていますが、国際的(国際規格や各国ガイドライン)には事業継続マネジメント(BCM)としての取り組みが重視されています。
上記のことから、今後の事業継続のISO化(ISO 22301:社会セキュリティ-緊急事態準備及び事業継続マネジメントシステム-要求事項)の動向を考えますと、事業継続計画の策定も重要ですが、事業継続マネジメントとしての取り組みをご検討されることをお勧めします。