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会社を設立するとき、株式会社と合同会社がポピュラーだと言われました。よく分からないので両者の違いと選ぶときのポイントを簡単に教えてください。
どちらがいいか一概には言えず、目的によって変わります。
いまの日本で設立できる会社形態には「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類があります。ただし、合名・合資は設立数が非常に少なく、一般的に会社設立と言えば「株式会社」か「合同会社」です。
株式会社は、株式を発行して資金を調達し、その資金をもとに経営を行う会社形態です。出資者が株主となり、経営者とは別の役割を担いますが、株主と経営者が同一人物であることも可能です。
一方、合同会社は出資者が経営者を兼ねるという特徴があります。合同会社では、出資者は「社員」と呼ばれ、従業員の意味ではありません。社員は原則として経営にも携わる必要があります。
その他、項目ごとに両者の違いをまとめると以下のようになります。
◯意思決定
株式会社→株主総会
合同会社→社員総会
◯会社の所有者
株式会社→株主
合同会社→各社員
◯会社の経営者(業務執行者)
株式会社→取締役
合同会社→業務執行社員(選任しない場合は社員全員)
◯所有と経営の分離
株式会社→分離
合同会社→一致
◯役員の任期
株式会社→通常2年、最長10年
合同会社→任期なし
◯代表者の名称
株式会社→代表取締役
合同会社→代表社員
◯決算公告
株式会社→必須
合同会社→不要
◯定款
株式会社→認証必要
合同会社→認証不要
◯利益配分
株式会社→出資比率に応じる
合同会社→定款で自由に規定可能
◯議決権
株式会社→出資比率
合同会社→一人一票
◯認知度
株式会社→高い
合同会社→低い
◯設立手続きの費用
株式会社→約18万円〜
合同会社→約6万円〜
◯資金調達の幅
株式会社→新株発行など資金調達の幅が広い
合同会社→新株発行は出来ず株式会社と比べると幅は狭い
【どちらを選べば良いか?】
◯事業を展開させて行きたいなら株式会社
→株式会社であれば新株発行による資金調達も可能ですし、採用等の面でも認知度の高い株式会社のほうがやりやすいです。今後事業を大きくしていきたいなら株式会社が良いでしょう。
◯節税目的やスモールビジネスのままで行くなら合同会社
→単純に節税目的であったり、家族経営で社内関係者が少数に留まるスモールビジネスであれば合同会社の方が良いでしょう。ランニングコストも株式会社より安いです。
(回答日:2024年9月3日)