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起業予定ですが、インボイス発行事業者の登録をすべきでしょうか。

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  • 起業予定ですが、インボイス発行事業者の登録をすべきでしょうか。

    これから起業する予定です。起業して2年間は消費税の納税義務はないと聞く一方、インボイス発行事業者の登録をすると、1年目から消費税の納税義務が発生するとも聞いています。私は登録をすべきでしょうか?

    主な顧客がインボイスを必要とするかどうかで判断が変わります。



     消費税の納税義務の有無は、個人事業主であれば2年前の消費税がかかる売上高(課税売上高)、法人であれば2期前の課税売上高が1,000万円未満の場合、原則として消費税の納税義務は免除されることとなっています(1年前・1期前の前半6か月の売上などの要件もありますが、ここでは省略します)。起業して1年目・2年目は2年前・2期前がありませんから、原則として、納税義務は免除されます。
     さて、2023年10月からインボイス制度が始まりました。この制度が始まったことで、消費税の納付額の計算の仕方が変わりました。消費税の納税額は、売上にかかる消費税から、仕入れや経費の支払いなどで支払った消費税を差し引いて計算をします(小規模な企業については例外もあります)。これを本則課税方式といいます。仕入れや経費などで支払った消費税は、2023年9月までは、基本的にどんな請求書や領収書でも問題なかったのですが、2023年10月以降は、適格請求書と呼ばれるインボイスに記載した消費税しか差し引くことができなくなりました(経過措置もあります)。つまり、本則課税方式で納付する事業者は、仕入れや経費の支払いをした相手先にインボイスを求めます。インボイスをもらえないと、消費税の支払額や負担が増えるからです。
     起業するにあたり、売上先が事業者であれば、インボイスの発行を求める可能性が高く、発行がない事業者とは取引をしない可能性もあります。取引をするために、インボイス発行事業者の登録をしなければならない必要性は高いでしょう。
     一方で、売上先がインボイス不要な一般消費者であれば、インボイスを発行しなければならない必要性は低いでしょう。
     インボイスを発行するためには、適格請求書発行事業者の登録申請が必要ですが、登録申請をした事業者は、2年前・2期前の課税売上高にかかわらず、消費税の納税義務が発生します。
     本来納税義務は免除されるのに、インボイス発行のためにインボイス発行事業者になった事業者には、納付額の計算の特例があります。消費税の負担額を把握し、また、取引への影響を考慮して、判断する必要があります。

    (回答日:2024年9月2日)

回答した専門家
税務、会計

神佐 真由美

夢や目標、ありたい姿を語って下さい。実現のために一緒に「何をどうするか」を考...

事業を継続するだけで大変な時代だと言われます。だからこそ、「自分の商品で世の中をよくしたい」「働きがいのある会社を作り、輝く人を増やしたい」・・・と事業をされている方、承継される方、起業を志される方の挑戦を応援したいです。経営は常に挑戦だと言われます。一番身近なパートナーとして、ビジネスドクターとして、皆さんが経営=挑戦に専念できる環境づくりを支援したいです。一緒に未来を描きましょう。

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