今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
おかげさまで毎日多くのお客さんに来ていただいて売上も十分にあるのですが、利益が一向に残りません。どうすればいいですか?
数値の基準を決めて異常を発見し、それに対する具体的行動を決めましょう。
繁盛していることは素晴らしいです。
ただし、利益が出ていなければ疲弊してしまいます。
利益を圧迫している具体的な原因がわかれば行動も具体的になります。
利益が出ない主な理由は3つです。
・粗利益率が低い
・人件費率が高い
・家賃比率が高い
現在はお客さんが来ているので、家賃比率以外のどちらから手をつければいいか、基準を知ることが大事です。
基準については、日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」があります。
https://www.jfc.go.jp/n/findings/shihyou_kekka_m_index.html
この調査結果をみると業種別に経営分析の数値が一目でわかるようになっています。
こちらの数値と自社の数値を見比べてみて、どの経費が大きく乖離しているのかを探してみるといいでしょう。
1.粗利益率が低い場合
上記の指標の売上高総利益率(粗利率)と自店の粗利率を比較して低い場合は、原価について見直しをすることが必要です。
例えばお寿司屋の場合
・仕入れた魚の歩留まりはどうか?
・レシピで決めたメニューの利益は適正か?
・提供している握りのネタの重量はレシピ通りか?
・注文間違いのロスや期限切れのロスは管理できているか?
・二次加工による工夫でロスの低減ができているか?
・売価が安すぎないか?
などが考えられます。
2.人件費率が高い場合
次に、上記の人件費対売上高比率(人件費率)と自店の人件費率を比較して高い場合は、効率化によって人件費を減らす、もしくは売上を上げる対策が必要です。
・既存のオペレーションの見直しや変更
・仕事の種類に応じた機械化やDX化
・ピーク時間以外の労働時間などの削減(コスト削減)
・アイドルタイムにやることの明確化
・同じ商品ラインの中で素材、作り方に応じて客単価アップの選択肢を増やす
・責任者が売上を獲得する仕事に専念する
などが考えられます。
いずれにしましても利益が出ない時にまず考えないといけないのは
・基準を決める
・異常の発見
・やることを決める
この3つを意識してみてください。
(回答日:2024年9月1日)