今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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当社の社員に、遅刻や無断欠勤、業務の遂行拒否や業務命令に従わない社員がいます。
口頭で注意指導をしても功を奏さず、逆に「パワハラ」と言われる有り様です。
このような社員に対し、会社はどのように対処すればよいのかを教えて下さい。
会社が注意指導を行い、社員の勤務態度の改善を図って、それを証拠化するアプローチをして下さい。
1 勤務態度が悪い社員(以下「勤務態度不良社員」という。)への対応方法
まず、勤務態度の不良は裁判所にわかってもらいやすく、勤務態度は教えて直るものでもなく、問題点を指摘して社員に改善の余地がないことがいえればそれで足ります。
対応方法のポイントは、以下の2点をきちんと証拠化することです。
1)「会社が」是正のために注意して反省を促したこと
2)「社員に」今後の改善の見込みがないこと
特に、上記2)の証拠を残すことが重要です。会社が一方的に指導を続けても不十分で、指導のやりすぎで「パワハラだ」と言われる可能性もあります。
また、解雇の方向で考えているのなら、反省文を提出させる必要はありません。なぜなら、反省文を提出させると、反省したことが証拠として残り、上記2)とは真逆の証拠ができてしまうからです。
2 勤務態度不良社員に対するアプローチのポイント
アプローチのポイントとしては、以下の①〜④のサイクルを順にまわしていくことです。
このサイクルをまわすことで、社員に「改善の見込みがない」証拠が積み上がっていくことになります。また、社員によっては、最初のサイクルだけで辞める人もいます。
①〜④まで実施することで、上記1項1)、2)の証拠が積み上がっていくことになります。
① 会社から社員への書面による問題点の指摘(事実の指摘のみ、「解雇」を視野に入れている
のであれば、社員が改善できない事実を指摘するようにしてください。)
② 社員から会社に対して文章を提出(①で指摘した問題点について社員に「これは認める、こ
れは認めない」という形で認否をしてもらい、そのうえで、会社から社員に対して改善案を
複数提案し、一緒に改善策を考えるようにしましょう。そうすることで、パワハラのリスク
をなくすことができます。)
③ 社員が改善案を選択
④ 社員が改善策を実行し、数ヶ月後に会社にて改善の実施状況をフィードバックして上記①に
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(回答日:2024年8月29日)