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子どもに事業を譲ろうと思っていますが、どうすればいいですか?

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  • 子どもに事業を譲ろうと思っていますが、どうすればいいですか?

    私の父が創業して私は二代目になります。父親が死亡した際に私の兄弟が株式の一部を相続しています。今後、子どもに事業を譲る予定にしていますが、どうしていけばいいでしょうか。

    円滑な承継・経営のためには経営者に株式を集約しておくことが重要です。



    1.株式の集約の必要性
    経営者である代表取締役が、円滑に株式会社を運営していくためには、少なくとも株主総会の普通決議を単独で行うことができる株式数(発行済み株式総数の過半数)を保有している必要があり、特別決議を単独で行うことができる株式数(発行済み株式総数との3分の2以上)を保有しているのが理想的です。株式が複数人に分散してしまっている場合は、現経営者または後継者に株式を集約する必要があります。
    現在はご兄弟が株式の一部を保有しているとのことなので、ご兄弟がお亡くなりになると、その相続人(配偶者や子どもら)に更に株式が分散することとなりますので、早めに株式の贈与等を受けるなどして株式を集約しておく必要があります。

    2.後継者への株式移転の方法
    経営者の生前に後継者に株式を譲る方法としては贈与及び売買による方法があります。事業が順調に行っており、株式評価額が高額となる場合、贈与する際は贈与税及び後述する遺留分が検討課題となり、売買する際は後継者が購入資金を調達できるかが検討課題となります。
    経営者の死後に後継者に株式を移転する方法として、遺言や死因贈与といった方法があります。後継者以外にも相続人がいる場合は他の相続人の遺留分を侵害していないかが検討課題となります。仮に他の相続人の遺留分を侵害する可能性がある場合は、生前の間に他の相続人の理解を得ておく他、遺留分に関する民法の特例である経営承継円滑化法を利用して、後継者の負担を減らして方策を採ることが必要です。
    いずれにしましても、株式移転は経営権の移転という側面のみでなく、財産の移転という側面を有しますので、弁護士及び税理士等への早め早めのご相談が何よりも大事となります。

    (回答日:2024年8月29日)

回答した専門家
法律(弁護士)

中原 圭介

弁護士×中小企業診断士が、御社が抱える法務と経営の課題を解決します。

私の家系は代々、中小企業を営んできました。会社を経営する祖父や父の背中を見ながら育ち、中小企業経営者をサポートする存在になりたいと考えて弁護士となり、法律以外の経営面でもサポートできるように中小企業診断士資格も取得しました。
経営者は非常に孤独な存在です。中小企業経営者の皆様が、お悩みをお独りで抱え込むことがないよう、ともに悩み、ともに考え、先へ進むお手伝いを致します。

ライセンス

弁護士
認定経営革新等支援機関

重点取扱分野

【中小企業顧問業務】契約書・規約作成、債権回収、新規事業...

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