今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
これからテレワークを導入する場合、何から手をつけたらいいでしょうか。また留意点も教えてください。
「デジタル化の推進」と「向き・不向きの見極め」がポイントです。
コロナ収束後のテレワーク全国実施率は22.2%(2023年7月時点:パーソル総合研究所より)となり、コロナ禍に比べやや低下傾向となっています。そこで、事例から見るテレワーク導入時のポイントを挙げてみます。
一つ目のポイントは、「デジタル化の推進」です。
その中でも書類の電子化・ペーパーレスの促進は重要です。例えば、稟議書や請求書を取り扱う業務は、印鑑の捺印や紙の書類管理が必要となりますが、これら書類を電子化しクラウドを活用することで、社外からも書類にアクセスしやすくなるため、仕事の作業効率も向上します。
さらに、あらゆるシステムを連携させることで、業務効率が高まり社員同士が離れていても業務を行うことができるようになります。
例えば、会計システムとワークフローシステムを連携させることで、 備品の購入や出張・旅費といった、さまざまな経費精算を自動化できます。バックオフィス系のクラウドシステムは、比較的安価なため、導入しやすいのもメリットです。
二つ目のポイントは「向き・不向きの見極め」です。
導入企業の事例から、チームの結束力の低下、孤独・不安を感じる、打ち合わせの機会が増えたなどが課題として挙げられています。これらに共通するのがコミュニケーションの問題です。この問題に対し多くの企業では、業務状況を可視化するデジタルツールを導入したり、テレワークの実施ルールを策定したり、できるだけ雑談や休憩を意識的に取り入れる、などの工夫を行ってきました。しかし、それだけでは解決せず、テレワークそのものを廃止した企業も見られます。
そこで、業務内容や社員の個性に応じた「向き・不向きの見極め」が大切なことがわかってきました。例えば、教育が必要な仕事、文字が苦手な人(多くの場面でチャットを活用するため、文字間の意図を理解するのが苦手)、仕事とプライベートの境界線がはっきりしている人、上司に逐一指示を仰がないと次に進めない人は、テレワークに向いていないとされています。
(回答日:2024年8月28日)