今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行が叫ばれていますが、企業がビジネスとして取り組める方法について教えてください。
新たな付加価値を生む循環型ビジネスモデルを構築しましょう。
サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、大量生産・大量消費・大量廃棄が一方向に進むリニアエコノミー(線形経済)に代わって、あらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化をめざす社会経済システムを意味します。
企業にとってサーキュラーエコノミーに向けた取り組みを行うことは、無駄を利益に変え、新たな付加価値を創造するビジネスモデルへの転換になります。ここでは、循環型のビジネスモデルを5つ紹介します。
1.循環型サプライチェーン
リサイクル可能な原材料をリサイクル使用し、価格変動および供給リスクを大幅に軽減するビジネスモデルです。そうした循環型サプライ材料の利用によりコスト削減、環境負荷低減を図ります。そのためには、資源採取→調達→生産→販売といったフォワードサプライチェーンに加えて、使用→回収→処理→素材再生といったリバースサプライチェーンの構築が必要になります。予め回収・再利用・再生しやすい設計・開発が重要になります。
2.所有からシェアへの転換
これまでの「所有」の概念を超え、モノや資産の共同利用によって、個人や企業が所有している活用可能な資産をシェアし、サービスを提供・利用するビジネスモデルです。空間(ホームシェア、駐車場シェア)、移動手段(カーシェアリング)、モノ(フリマアプリ、レンタルサービス)、スキル(家事代行、クラウドソーシング)、お金(クラウドファンディング)などのシェアサービスがあります。
3.製品のサービス化
製品売りからサービス売りに転換するビジネスモデルです。利用者は製品やサービスを利用した分にのみ料金を支払います。レンタル、リース、サブスクリプションといった形態がこのモデルに該当します。事業者は、再利用、長寿命化、信頼性の向上に注力し、顧客価値向上をめざします。そして、使い倒すことを前提にしたデザインで事業収益向上を図ります。
4.製品寿命の延長
修理、改修、アップグレード、部品交換などにより、製品を可能な限り長く使用できるようにデザインするビジネスモデルです。劣化や寿命を知らせる自己診断機能や自己改修できる素材などが開発されています。
5.回収とリサイクル
寿命を迎え、現在の用途では機能しなくなった製品から素材と資源を回収し、そこから価値のある素材や部品、エネルギーを取り出して再利用、資源再生、2次転用を行うビジネスモデルです。
(回答日:2024年9月3日)