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日本からの輸出に際し、消費税免税や還付があると聞きました。
概要について教えてください。
販売が輸出取引に該当する場合、消費税は免除されます。
消費税の課税事業者A社が国内取引する場合、仕入先B社から1100円(内消費税100円)で物品を調達し、自社マージンを乗せた後、国内顧客C社に2200円(内消費税200円)で販売したとします。この際、A社が納税すべき消費税は、販売時C社から受け取った消費税と調達時B社に支払った消費税の差額100円(200円-100円)となります。
このように消費者が最終負担する消費税を、ここに至る事業者が「受け取った消費税と
支払った消費税の差額」をそれぞれ分けて納付することにより、徴税する仕組みとなっています。このように消費税は「消費者が負担し、事業者が納税する」ものです。
一方、日本から輸出する場合、消費税は免税となります。
上記の例を当てはめると、A社は国内仕入先B社から1100円(内消費税100円)で調達し、
自社マージンを乗せた後、海外顧客D社と販売価格2000円(税別)で合意しました。
国内販売の場合これに消費税を乗せることになりますが、輸出販売の場合、海外D社から
日本の消費税を受け取ることはできません。これは輸出販売される物品は「外国で消費されるもの」であり、内国消費税である消費税は課税しないという考えに基づくものです。
よってA社はD社に対し、消費税を上乗せせず(輸出免税)2000円で輸出、代金回収することになります。ただ、このままではA社は輸出販売で受け取る消費税は0、国内仕入れで支払う消費税は100円となり、差額がマイナスになり、ロス(損)が発生します。
よって、輸出者は、当該製品を間違いなく海外に輸出したことを輸出許可書等で証明し、税務当局に申告することにより、「輸出製品の国内仕入れにかかった消費税額」の還付を
受けることができ、還付により上記のロスが消し込まれます。
又、消費税の還付申告は、輸出商品の仕入れ調達に対するものだけではなく、その輸出事業の為に使った諸経費に対する消費税も含めることができます。
尚、日本への輸入時は上述した考え方に則り、日本の輸入時、輸入者に対し消費税が
原則課税されます。
関連情報: 国税庁 タックスアンサーNo. 6551「輸出取引の免税」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6551.htm
注釈:本稿では消費税率を10%(2023年7月時点)として説明しています。