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自社株が経営に参画していない親族や第三者に分散しています。
経営層の議決権割合が低い状況では、今後の経営が不安定であり心配な為、分散株式の集約方法について教えてください。
自社株が分散した原因や各株主の状況等に応じ、最適な方法を選択しましょう。
経営に参画していない親族や第三者の分散株式を放置してしまうと、潜在的な紛争リスクを抱え続ける事となります。
また、株主の相続等により更なる分散へと繋がりかねません。
分散株式の集約は容易でなく、大きな労力を伴いますが、少しでもリスクが小さいうちにご対応される事を推奨致します。
それぞれの集約方法は、以下の通りです。
◆[名義株の名義変更]
分散株式が名義株である事が判明した場合は、本来の株主に名義変更を行います。
本来の株主(真正名義人)と名義借りの株主(現名義人)との間で確認書を交わし、後々、税務署から贈与等の疑義を持たれた場合でも対応出来るようにしておきましょう。
◆[任意の買取り]
他の株主から自社株を直接買取る方法です。
相手方と交渉の上、買取価格で合意を得る必要があると同時に、買取り資金が必要となります。
◆[自己株式の取得]
会社が有する自己株式には議決権がありませんので、他の株主から自己株式の取得を行う事により、経営層の議決権割合を増やす効果があります。
任意の買取りと同様に、買取価格で合意を得る必要があると同時に、買取り資金が必要となります。
◆[スクイーズアウト(株式併合、特別支配株主の株式等売渡請求)]
株式併合は、併合比率を定め、経営に参画していない親族や第三者の分散株式を単元未満株にし、端株しか有しない株主を追い出す制度です。
特別支配株主の株式等売渡請求は、議決権割合90%以上の株主(特別支配株主)が、他の株主全員に対し、株式全ての売渡しを請求できる制度です。
どちらの方法も強制的に株式を取り上げ、経営層の議決権割合を増やす効果があります。
上記以外にも、第三者割当増資、種類株式の活用(議決権制限株式、取得条項付株式、拒否権付株式等)、相続人等からの売渡請求などの方法があります。
目指すべき経営層の議決権割合(過半数、3分の2以上、100%等)を設定し、その為に投入できる資金額を考慮し、自社株が分散した原因や各株主との状況等(交渉できる関係性の有無等)に応じ、方針を検討する必要があります。
これらの内容ついて更に詳細を知りたい方は、ぜひ経営相談室をご利用ください。