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事業を引継がせたいと考えていますが、後継者がいません。どのようにすれば、事業を引き継いでもらえるでしょうか。
事業を引き継ぐことが魅力的なことだと思えるようにしましょう。
事業を引き継ぐということはどういうことだと思いますか。
帝国データバンクが令和3年に行った「全国・後継者不在企業動向調査」は、経営者の年代別に後継者が決まっているかどうかを調査しています。その結果を見ると、後継者が不在(決まっていない)と回答した企業の割合は、経営者が60代で47.4%、70代で37.0%、80代以上で29.4%でした。
わたしは銀行員時代に1,000社以上で事業承継の話をしてきました。その中で感じたことは、経営者が事業について楽しそうに話をしている企業は、仮に業績が良くなくても後継者がいるケースが多かったです。一方、業績が良いにも関わらず、後継者がいない企業は経営者が自分の事業について「しんどい。」とか「苦労する割に儲からない」といったネガティブな発言が多いように感じています。
あなたが後継者ならどんな会社なら引継ぎたいですか。仕事が楽なことですか、儲かってからですか。実際に事業を引き継いだ方に聞くと意外な答えが返ってきます。多くの後継者は、「事業を任せてもらえる」ということを重要視しています。引き継ぐ前に儲かっているかどうかよりも、自分に任せてもらえるとか、やりたいことができるということが大切なのです。
継ぎたい会社とは、事業承継した際に、先代経営者の関与が少なく、任せてもらえる会社ということになります。経営者の視点で考えると、収益力を高めておくとか、借入金が少ない、自己資本比率が高いなどの財務面を健全にすることが後継者にとって継ぎたくなる会社を作ることだと考えています。でも、後継者の視点は違います。
経営者の最大の仕事は、「後継者を決めること」です。経営者が事業承継後も実権を握り続けることが、後継者にとって最も避けて欲しいことだと知っておいてください。