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パート社員との雇用契約書で「シフトによる」で契約当初は週3〜4日勤務でしたが、最近は週2〜3日でシフトを組んでいます。しかし、パート社員から「勤務日数が減った」と苦情がありました。どうすればよいでしょうか?
休日の設定の基本的な考え方について、事前に労使で合意しましょう。
「シフト制」とは、雇用契約の締結時点では、労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間(1週間、1ヶ月など)ごとに作成する勤務シフト等で、具体的な労働日や労働時間が確定するような勤務形態を指します。
雇用契約書や労働条件通知書において、労働日や労働時間について、単に「シフトによる」と記載するだけでは不十分です。
今回の質問では勤務日を雇用契約書に明記していませんが、当初は週3〜4日勤務で労使が合意していたものと考えられます。週2〜3日勤務に減ったことについて、労働者から苦情があったということですので、使用者の都合で週3〜4日勤務から週2〜3日勤務に減ったということは、概ね1週あたり1日相当が使用者都合の休業と考えられます。これらの使用者都合の休業日に対して、少なくとも労働基準法第26条に定める休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う必要があるでしょう。
ではどうすればよかったのかと言いますと、事前に「週2〜3日勤務」で雇用契約を再締結する、あるいは一定期間の期間を週から月や年に変えることです。例えば1年の繁閑が激しいため勤務日が変動する可能性があれば、「1年あたり○日程度勤務」と示すこともお勧めです。特に扶養内で収入調整を希望する労働者には受け入れられやすいと考えます。
雇用契約で勤務すべき日数を定めておくことは、使用者から労働者への約束だけではなく、労働者から使用者への約束でもあります。つまり、勤務すべき日数分を労働者側から勤務を拒む場合は、欠勤または年次有給休暇等の処理をすることになります。休日で処理しがちですが、ご注意ください。