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社長として会社を経営してきましたが、年齢的にそろそろ誰かに経営を引き継いでもらって引退することを考えています。しかし、適切な後継者を見つけることができていません。このまま廃業するしかないのでしょうか?
ご親族以外の第三者に事業を引き継いでもらい、事業を継続していくことも可能です。
中小企業経営者の高齢化が進んでおり、経営者年齢のピークはこの20年間で50代から60〜70代へと大きく上昇しています。一方、近年においては少子化や職業選択の幅が拡大したことから親族への承継が困難となり、従業員への承継も株式の移転の困難さや連帯保証債務の引継ぎといった経営責任の大きさなどから、従業員への承継も簡単ではありません。そのため、後継者が見つからないことが中小企業の廃業の大きな要因の一つとなっています。
経営者のご親族や従業員に適切な後継者候補が存在しない場合は、M&Aの方法による事業承継を検討することとなります。M&Aと聞くと大企業同士の合併を想像されるかもしれませんが、多くの中小企業においてもM&Aを用いた事業承継が行われており、その件数は年々増加しています。
M&Aによる承継候補先は、経営者の人脈による同業他社や地元金融機関からの紹介によってマッチングが行われることもありますが、全国各地にある事業承継引継ぎ支援センターやM&Aを専門とする民間の仲介会社を利用して承継候補先を選定することもできますので、お一人で悩まずにお気軽にご相談ください。
経営者は、従業員、取引先や金融機関等の利害関係者の利益も十分に考慮したうえで承継先を選定し、承継条件を決定していく必要があります。その際、事業価値と比較して承継条件が妥当なものであるのか否かについては、弁護士や税理士・公認会計士等の専門家をご活用ください。特に、仲介業者を利用して承継候補先とマッチングした場合、仲介業者は譲渡先と承継先の双方の間を取り持つこととなり、譲渡先の立場のみで物事を考えることが難しい立場にありますので、譲渡先の目線で承継条件等を検討することができる専門家の関与がより必要だといえます。