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社長の私が生産現場に立ち合わなくては、現場がうまく回りません。私がいなくても現場をうまく回すにはどのようにすればよいのでしょうか。
社長が少しずつ生産現場から離れて、生産担当者に権限委譲していきましょう。
会社の組織が小さい時は、社長がほとんどの業務に携わっていたと思います。しかし、組織が少しずつ大きくなるにつれて、社長が現場で見ることができる範囲に限界がきてしまいます。なぜなら一般に人が管理する適正人数は、業務内容やタスクの量にも左右されますが、概ね5〜8人、最大でも10人程度だと言われているからです。
会社の規模が小さい時は取引先から注文を受けた時に生産現場に入り込んで、従業員に指示することができたと思います。会社の規模が大きくなるにつれて、社長の本来の役割である会社方針の決定、戦略立案、取引先との折衝、人脈作り、資金繰り等をしていかなければ会社運営に支障をきたしてしまいます。社長としては生産現場全体を把握することは重要ですが、少しずつ生産現場から離れて、生産担当者に権限委譲していく必要があります。
現場の担当者に権限委譲するメリットは多くあります。
① 現場担当者が、より重要な案件に集中して取り組むことできます。社長に代わり現場を取り
持つ人が実力をつけることで企業の競争力を高めます。
② 現場の担当者が意思決定できるだけの自信をつけると、現場の5S(整理、整頓、清掃、清
潔、躾)が進んだり、クレーム対応を適切に行うことで、現場でスピーディに状況判断し、
解決することができ、顧客満足度が向上する場合があります。
③ 人は新たな役割を持つことで、意欲を持って業務に関わる場合が多いものです。現場の担当
者のモチベーションを上げることで生産性が向上するケースが多いのです。
さて、生産現場に権限委譲したとしても現場で発生している事柄でその重要性や頻度に応じて、社長自らが判断せざる得ない場合もあります。特に品質不良や労働災害といった社外にまで影響を及ぼす事項です。そこで、どの場合に社長に報告・連絡するのかあらかじめ定義を決めておく必要があります。
会社の規模を大きくするには、権限委譲をしながら組織の仕組みを作っていくことが重要です。