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与信管理の勘所、与信管理の重要性とその実行手順とは?

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  • 与信管理の勘所、与信管理の重要性とその実行手順とは?

    先日、ある取引先が倒産し売上債権が回収不能となりました。大きな額ではありませんでしたので大事には至りませんでしたが、他の取引先で同様のことが発生しないか不安です。対応策を教えてください。

    与信管理を徹底して売上債権の回収不能リスクを回避する必要があります。


     取引先の倒産危険性と取引内容の健全性から、取引可否を判断して与信金額を決定し、売上債権を管理することを与信管理といい、「①取引先の調査→②取引内容の確認→③与信判断→④契約締結→⑤売上債権の管理」の手順で行います。
      ①取引先の調査
       取引先の定性情報(人・モノ・金)と定量情報(決算数値)から、取引するのに問題ない
       先かどうかを調査します。
      ②取引内容の確認
       利益を確保できる取引か、取引上のリスクはないか等を確認します。
      ③与信判断
       ①と②から取引可否を判断し与信金額を決定します。なお与信判断の際に注目すべきは、
       取引金額ではなく与信金額です。例えば取引金額が1億円でも、この代金を販売前に回収
       できれば与信金額は0円になります。つまり売上債権の回収を早くすれば、取引金額が同
       じでも与信金額は少なくて済むというわけです。
      ④契約締結
       トラブルが発生し裁判沙汰になった場合、契約書は証拠書類となりますので、トラブル対
       策として契約書は必ず締結します。
      ⑤売上債権の管理
       取引先別に売上債権残高と与信金額を比較します。「売上債権残高>与信金額」の場合は
       回収を促進し「売上債権残高≦与信金額」の状態に戻す必要があります。
     例えば、自社の年商が10億円、経常利益が5,000万円、A取引先に対する売上債権が5,000万円とします。もしAが倒産したら売上債権5,000万円が回収不能となり、1年間の努力が無駄になります。そしてこの5,000万円を取り戻すためには新たに10億円の売上が必要になります。もしAについて情報収集を怠らず、慎重に取引可否を判断して与信金額を決定し、必要に応じて債権保全策をとっていれば、売上債権の不良債権化は回避できたかもしれません。与信管理強化は、自社のリスク軽減・回避だけでなく、対外的な自社の信用度向上にも寄与します。まずは取引金額の大きな取引先から与信管理を始めてみましょう。

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