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先日、事業計画書の提出を金融機関に依頼されましたが、資金調達が上手くいきませんでした。経営者が事業計画書をまとめて「失敗する」典型的な例、失敗しがちな事業計画書の例について教えてください。
成功体験中心型、がんばる型、SOS型、景気次第型の4タイプが多いです。
事業計画書作成において、失敗しがちな事業計画書の例について纏めさせていただきます。ここで云う「失敗する」とは、資金調達面からの失敗とお考えください。
①過去の成功体験中心型
社長の経歴、自慢話が中心の事業計画書です。過去の成功体験を事業計画書に活かすとすれば、現在でも通用する体験でなくてはいけません。それが社長だけのスキルやノウハウになっているのではなく、従業員に共有されていることがポイントです。スキルやノウハウが企業全体の強みとして共有され、今後の事業計画のなかで成長のポイントになっていれば、金融機関を納得させることができるでしょう。
②とにかくがんばる型
具体的な取り組みが入っておらず、がんばるとか努力するとか、精神論が中心の事業計画書です。例えば、飲食店を例にあげますと、いくらがんばるとか努力するといっても、お客に来店してもらわなければ売上は上がりません。お客を呼び込むためには、仕掛けが必要なのです。その具体的な仕掛けや方法を記載する必要があります。
③SOS型
自社の危機的状況の説明が中心になっている事業計画書です。見方を変えると「お金を貸してもらえないと大変なことになる」と脅迫しているような事業計画書です。それでは、自分の会社の状況が悪いことを金融機関に押しつけていると受け取られても仕方ありません。この危機的状況からどのように脱出するかをしっかりと記述する必要があります。
④景気次第型
景気次第型の事業計画書とは、過去の実績や今後の売上予測がすべて景気の動向やその景気のなりゆきによるとしている事業計画書です。景気と連動した予測のみでは、経営を他人事のように考えており、経営者としては失格とみなされてしまいます。このような事業計画書の特徴に、新聞やシンクタンクなどが発表したマクロ経済の部分にページを割き、政治の批判にまで論点を広げ、自社の経営についての内容が薄くなっている点があります。