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役員の個人資産を会社に貸し付けて、資金繰りしています。この役員借入金をいつまでも残しておくことによるデメリットはどんなことがあるのですか?
銀行の評価が低下する等のデメリットが生じることになります。
役員借入金は金融機関等からの借入金とは異なり、返済する時期が自由であるというメリットがあります。いずれは返済しなければなりませんが、自分の会社で資金繰りに余裕があるタイミングを判断して、返済時期を決定することが可能です。
しかし、役員借入金はそのようなメリットがあるものの、借入勘定があるということは以下のような不都合が生じることになるのです。
役員借入金があることのデメリットは、大きく分けて下記の3点です。
① 銀行評価に悪影響
役員借入金があると、銀行からの評価が下落し、融資を受けることができない、適用される金利が高くなるなどの不都合を生じることがあります。 特に、中小企業は、役員の財布と会社の財布が同じになっていると判断されると、「経営の管理がずさんな会社では?」と金融機関から経営課題が多いと判断され、融資を断られる危険性もあります。
② 自己資本比率が下がる
役員借入金があると、その借入金の分だけ負債が増えることになるため、自己資本比率が下落します。 自己資本比率が高ければ高いほど、当該企業の安全性は高く評価されるため、役員借入金があることによって自社の安全性について低い評価が下されることになってしまいます。
③ 債務超過となることも
銀行などからの借入金が多い企業では、役員借入金があることによって債務超過となってしまうことがあります。
債務超過とは総資産以上に債務が多くなり、資本金がマイナスとなっている状態です。 この場合、債務超過が解消できる見込みが立たない限りは融資を受けることは基本的にはできません。役員借入金という実質的には資本金のような勘定科目のおかげで、自社の決算書が債務超過になってしまい融資を受けることができないという可能性もあるのです。