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特許出願を行ったところ、届いた拒絶理由通知書の中で外国文献(外国特許庁が発行した公報等)が引用されました。この外国文献はどこで取得できるのでしょうか?また日本語で読むことはできないでしょうか?
まず原文を取得し、対応日本語公報を探しましょう。無ければ機械翻訳を利用します。
国内の特許出願の審査では、拒絶理由通知書において外国文献が引用される場合があります。また、外国へ特許出願した場合、拒絶理由通知書では当然に外国文献が引用されます。このような場合、以下の流れで対応すれば、労力やコストを節減することが可能です。
(1)外国文献の原文を取得する
原文の取得は不可欠です。補正や反論を行う場合、原文の文言を使用する必要があるためです。原文の取得には、特許庁が提供する「J-PlatPat」を使用します。詳細には、「特許・実用新案番号照会/OPD」において検索対象として「文献」を選択し、発行国や種別を選択した上で公報番号を入力します。また、欧州特許庁が提供する「Espacenet」を使用しても、原文の取得が可能です。
(2)対応日本語公報を探してみる
公報の内容把握時には原文を読むのが原則です。しかし、日本語訳があれば時間と労力の節約になりますので、対応する日本語公報をまず探します。特に、PCTルートで各国に出願されている場合、原文に忠実な日本語訳を読むことができます。一方、パリルートで各国に出願されている場合、原文に忠実な日本語訳とは限らないので注意が必要です。
探索方法としては、J-PlatPatの「特許・実用新案番号照会/OPD」において検索対象として「OPD(ワン・ポータル・ドシエ)照会」を選択し、発行国や種別を選択した上で公報番号を入力します。これにより、各国に存在するファミリー出願(原文に関連する出願群)を参照することができ、対応日本語公報が見つかる可能性もあります。
(3)パテントスコープを利用して翻訳文を取得する
対応日本語公報が見つからない場合、世界知的所有権機関が提供する「PATENTSCOPE」を利用すれば、翻訳文を取得することが可能です。詳細には、例えば「簡易検索」において公報番号を入力すると公報が原文で表示されますので、「明細書」等のタブを選択して内容を表示させます。その状態で、画面上部に表示される「自動翻訳」ボタンから「Wipo Translate⇒日本語」を選択すれば、翻訳が実行されて和訳文が表示されます。但し、機械翻訳には限界がありますので、参考程度と意識して原文と見比べながら使用する必要があります。