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取引先から要求され、ISO9001を認証取得し運用していますが、審査のためにISOの運用をしているようで、仕事の負担になっています。形だけの運用になっていて、経営が良くなっている実感がありません。どうすればISOを経営に役立てることができるのでしょうか?
会社のマネジメントの仕組みとISOの運用を一体化させましょう
ISOを形骸化させないためには、会社のマネジメントの仕組みとISOの運用を一体化させることが重要です。そのためには、次の2点を実施しましょう。
1.品質マニュアルの見直し
ISO9001の品質マニュアルを通常の経営管理サイクルや日常業務の運用実態と照らし合わせて見直しを行います。見直しの観点は以下の2点です。
1)会社の管理や仕事の流れに即したマニュアルへの変更
現在の事業プロセスの中で行われている管理の仕組みにISO規格要求事項を当てはめるとよいでしょう。たとえば、通常実施している活動、会議、文書をそのままISOの求める活動、レビュー、文書に対応させてしまえばいいのです。
2)ISOのためだけに設定されたルールの削除
ISOのためだけに設定されているルールは削除します。ISOの要求事項を満たすために必要な行為については、現在の事業プロセスの中で行われている管理の仕組みに組み込んでしまいましょう。
2.事業戦略とISOの品質目標の一致化
事業戦略を練る際には、まず会社を取り巻く内外の状況・課題を把握し、お客様のニーズ・期待を明確にした上で戦略を決定しているのではないでしょうか。ISO規格でも、これと同じ取り組みが求められています。したがって、事業戦略を実行計画に落とし込む際の指標の中に、品質目標を組み入れ、具体的な目標値とアクションプランを設定すれば、本来の事業計画の中にISO活動を組み込むことができます。
具体的には、事業戦略から実行計画に落とし込むプロセスで作成された業績評価指標毎の目標をISOの品質目標と一致させ、それぞれの目標値を達成するための実行計画を作成し、進捗管理を行います。こうすることで、ISOの活動が事業計画の目標達成に貢献することになります。