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当社の商品をPRするためのキャッチコピーを考えました。商品名については既に当社が商標登録済みです。キャッチコピーの使用に当たり、どのようなことに注意するべきでしょうか?
キャッチコピーにも商標登録が必要な場合があります。
1.キャッチコピーの性質
一般的にキャッチコピーは、商品やサービス(役務)をお客さん(需要者)にアピールするために、その特長や品質などを分かり易く短い言葉で表現したものです。
商品やサービスの特長や品質を表現するにあたっては、材料や製法、使用の効果などが用いられることがあります。
これらキャッチコピーは、それ自体を覚えてもらうためではなく、商品やサービスのイメージをお客さんに持ってもらうことを目的としていることが多いでしょう。
2.商標について
これに対して、商標は、自社の商品やサービスを他社のものと区別(識別)してお客さんに覚えてもらうために独占権を与える制度です。つまり、商品やサービスの品質等を表す語など、自他商品の識別力を有しない語については、原則として商標登録できません。
したがって、キャッチコピーは、どちらかというと商標登録になじまない場合があると言えそうです。
3.注意するべき点
しかし、キャッチコピーについて、全く商標に関する注意を払わないと、大きな落とし穴が待っています。
まず、キャッチコピーに造語が含まれている場合には、品質等を表す語であっても識別力を有します。そうすると、うっかり使用していると、他者の商標権を侵害してしまう危険があるのです。
そこで、キャッチコピーに造語が含まれている場合には、商標登録を行うべきでしょう。
次に、造語ではなく一般的には品質等を表すものと思われる語であっても、本当に商標として登録され得ないものなのか、充分に検討するべきです。品質等の表示か否かは、商品・サービスごとに異なりますし、また、時代によっても異なります。最低限、特許情報プラットフォームなどを用いて調査をしておくべきでしょう。
さらに、商品・サービスの品質等を示す語(識別力の低い語)であっても、自社商品・サービスと結びつくキーワードとして用いたい場合には、独占的に使用するための方策として、積極的に商標登録を検討するとよいでしょう。