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人事評価(考課)に対する社員の納得性を高めるにはどうしたらいいですか?

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  • 人事評価(考課)に対する社員の納得性を高めるにはどうしたらいいですか?

    社員の目標管理を行いSABCDの5段階評価をつけて、昇進や給料に反映させるようにしました。どうも評価結果に納得していないように感じるのですが、どのように納得性を高められるか教えてください。

    評価者(考課者)研修を実施して、制度の運用面の課題確認やスキルアップを図ってはいかがでしょう。


    人事評価(考課:以下「評価」のみで記載)に対する社員の納得性は、「人事評価制度:仕組み」自体が正しいかどうかだけでは語れない、永遠の課題です。
    その対応の一つに評価者研修があり、評価者となる上司の採点(評価)方法や評価のフィードバックスキルを継続的に高めていくことが大切です。

    評価の納得性が低くなるきっかけとして、社員同士の評価結果の見せ合いがあります。
    自己評価と会社の評価にギャップが大きいと、「あいつはSなのに、なぜ私はBなんだ」といった不満が生じ、「上司の好き嫌いで評価されている」、「うちの上司は判断が厳しい」などと、感情的な判断をされたと誤解されることもあります。

    感情的な判断はない前提としても、人間が評価を行いますので、採点に評価者の性格が出やすいことに留意が必要です。
    例えば、以下のような評価の傾向があります。

    <評価の傾向>
    ・中心化傾向:5段階の真ん中の「B」が多い
    ・極端化傾向:一番良い「S」や一番悪い「D」評価が多い
    ・寛大化傾向:「S」や「A」の評価が多い(甘口評価)
    ・減点化傾向:「C」や「D」の評価が多い(辛口評価)

    人によって性格が異なるため、極端な場合は、同じ人に対する評価でもSをつける上司もいれば、Dをつける上司もいます。

    そういった評価者の違いで採点(評価)に大きな差が出ないように、評価者研修を通じて上司が自分の傾向を理解し、会社の基準と揃えていくことが肝要です。基本的な評価軸は、「業績」、「能力」、「意欲」だと思いますが、どこに重きを置いて評価するのか、プロセスに対する評価をどうするかなどの会社の基準を共有し、日々の評価を蓄積していくこと大切です。
    また、なぜこういう評価なのか的確・適切に伝えられるよう、フィードバックスキルも研修を通じて培います。


    納得性を高めるために、人事考課をされる側(部下)にも、評価者研修を受けていただくことも一つの方法です。ケーススタディを通じて自身が評価者の立場を体験することで、どのような行動が求められているのか、自己評価と他者評価のギャップの存在などを理解いただくことで、評価された際の納得性を高めることができます。

    こういった研修は、期末の評価直前に行ってもこれまでの行動を評価できませんので、評価期間の期首に行う必要があります。

    人事評価(考課)制度は、他社がうまくいっていると言って、自社も同じ内容でうまくいくとは限りません。「わが社流の人事評価(考課)制度」になるまでに、制度設計・運用方法の両面で、PDCAを回して、自社にフィットさせていきましょう。

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