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労働審判手続における企業側の対応のポイント

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  • 労働審判手続における企業側の対応のポイント

    従業員から未払い残業代を請求する労働審判申立書が届きました。同従業員は、勤務態度も悪く、不当な残業代請求を認めるわけは行きません。労働審判において注意するべき点を教えてください。

    労働審判においては、第1回目までに十分準備反論することが大切です。


     労働審判は、労働紛争について、迅速、適切かつ実効的な解決を図ることを目的とした手続(労審法1条)で、原則として3回以内の期日で審理を終結し(労審法15②)、それまでに調停成立による解決の見込みがある場合には労働審判委員会がこれを試み、調停が成立しない場合には、当事者間の権利関係及び労働審判手続の経緯を踏まえて審判を行うことになります。
     そのため、労働審判では、第1回期日において、主要な争点及び証拠の整理を行う運用がなされています。第2回期日で必要と認める証拠調べ等が行われることもありますが、あくまで補充的な主張や証拠提出に限られ、すでに審判体は一定の心証を得た後、調停の試みがなされる期日となっています。従いまして、第1回目の期日までに、会社としては、答弁書等で、十分な反論と証拠の提出を行っておくことが重要です。
     労働審判期日及び答弁書の期日は、一度指定されると変更が難しいのが通常です。弁護士に依頼する場合は、当日に出廷可能な弁護士でなければなりませんし、十分な答弁書を作成するためには会社からの聴き取りや証拠の検討などに時間をかける必要があります。
    (会社に顧問弁護士がいる場合は、すぐに連絡をとって、対応を依頼することが重要です。)
     労働審判事件の8割程度が調停又は審判の受け入れにより訴訟に移行することなく解決しています。第1回期日に当事者の十分な主張及び反論を行い、その証拠を基にした審判官(裁判官)及び労働委員の率直な意見を聴くことで、当事者が訴訟に移行した場合のリスクがある程度読めるためであると考えています。
     十分な準備を行うことは、会社側の主張を十分行うという面だけでなく、訴訟となったときの正確なリスク把握につながるという面でも重要であり、労働審判によるより良い解決につながることが期待されるところです。

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