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従業員50名ほどの製造業です。工場へのIoTの導入による生産革新がマスメディア等で話題になっていますが、当社のような中小企業でもIoTの導入は可能でしょうか。
IoTに取り組む前に、中小企業がすべきことが2つあります。
近年話題となっているIoT:Internet of Things(モノのインターネット)ですが、これは様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みのことです。産業分野への活用としては、生産設備から稼働情報を取得して生産の効率化を目指す、店舗の商品在庫の情報を取得して仕入処理を自動化する、等が考えられています。
様々な可能性を秘めたIoTですが、特に中小企業が取り組む前にすべきことが2点ありますのでご注意ください。
1.現場改善や標準化
IoT活用の一例として、RFIDタグを使用した在庫管理システムがあります。入荷と同時にRFIDタグを貼り付け、在庫がどの工程、もしくは倉庫にあるかをリアルタイムで監視するものです。しかし、IoT導入の前に現時点での正確な在庫が把握できていないと正確な管理はできません。つまり、IoT導入の前に現物管理、整理整頓等の現場改善が必要です。
他の例としては、スマートグラスによる従業員への作業指示があります。メガネ型のウェアラブルデバイスであるスマートグラスに作業内容を映写して、従業員への指示を行うというものです。しかし、これも業務標準や作業マニュアルが存在しないと実現できません。つまり、IoT導入の前に業務の標準化、マニュアル化等の技能の可視化が必要です。
2.データ活用の習慣化
IoTはあくまでデータを収集する仕組みであり、それだけでは経営の向上に寄与しません。重要なのは収集したデータを経営に活かすための方法です。サービス業などにおいて顧客情報を収集することは多くの企業で行われるようになりましたが、収集した情報をサービスの改善などに活かしている例はまだ少ないのが現状です。まずは、現状で管理しているデータを十分活かしているか確認し、データ活用のための社内体制を構築してください。