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株式会社の事業承継を行うに当たっての登記等の注意点

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  • 株式会社の事業承継を行うに当たっての登記等の注意点

    現在60代の経営者ですが、そろそろ事業承継を考えています。誰に承継するか等いろんなケースがありますが、登記やその他の問題などの注意点を教えて下さい。

    事業承継には種類株式の活用が効果的ですが注意点も把握しましょう。


    事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことをいいます。
    中小企業にとって、オーナーである社長の経営手腕が会社の強みや存立基盤そのものになっていることが非常に多く、そのオーナー社長が「誰」を後継者にして事業を引き継いでいくのかは重要なテーマです。誰に事業を承継(引継ぎ)するのかにはついては、大きく3通りの方法があります。①親族に承継する、②従業員等に承継する、③M&Aで承継する
    事業承継を上手く行うには会社法や登記の知識を活用して、後継者の方へ株式を集中させることで、事業の承継に好ましくない者の介入を予防する方法があります。
    まず、株式が公開されている中小企業の場合、株式の譲渡を制限することが必要です。
    念のため、会社の謄本を確認して下さい。株式の譲渡制限に関する規定が登記されていない場合は、この規定を設ける手続きが必要です。
    次に、議決権制限付き種類株式の活用です。会社は何種類かの株式を発行することが出来ます。その一部を株主総会で議決権を行使することが出来ない種類株式にする手法です。
    議決権制限付種類株式を後継者以外の相続人等に取得させることで、後継者の権利行使を強固なものにします。
    また、拒否権付き種類株式の活用という方法もあります。同じく種類株式を活用する方法ですが、その株式の内容が大きく異なります。拒否権付種類株式を後継者に取得させることで、後継者以外の相続人が後継者と対立するような決議をしても、後継者が首を縦に振らなければ決議が有効とならないという強力な権利です。また、拒否権付種類株式を現経営者が一定期間保持することで、後継者が育つまで後継者の経営に睨みをきかせるという使い方が出来ます。
    ただ、こういった種類株式の注意点としては、権利の制限された種類株主をもらう株主にとって損になることもあるので、損となる株主にきちんと説明しないと後々トラブルになる可能性があります。また会社の謄本に種類株式を発行していることが記載されますので、金融機関へ融資を求める際、種類株式の発行意図について説明を求められる可能性もあります。

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