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海外取引における代金の回収リスクをカバーする貿易保険について知りたい。

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  • 海外取引における代金の回収リスクをカバーする貿易保険について知りたい。

    貿易保険の申込方法、対象範囲、保険料などについて教えてください。

    貿易保険は日本貿易保険機構(独立行政法人)に申し込み、代金回収に対するカントリーリスクと契約相手先の破産などの信用リスクをカバーします。


    貿易保険の申し込みにより、代金回収に対する輸出相手国のカントリーリスクと呼ばれる非常リスクと契約相手先の破産などの信用リスクが、カバーされます。
    1.カントリーリスクと呼ばれる非常リスクでは、輸出相手国の為替取引制限・禁止、輸入制限・禁止、戦争・内乱・革命、支払国に起因する外貨送金遅延、国連または仕向国以外の国による経済制裁、自然災害その他、契約当事者の責によらない事態などが対象になります。
    2.信用リスクでは、契約相手先の3カ月以上の不払い(商品クレームなど、輸出者に責のある場合を除きます)、契約相手先の破産、破産に準ずる事由、外国政府などを相手先とする輸出契約などの船積前の一方的なキャンセル(民間バイヤーの船積前の一方的なキャンセルは対象外です)などが対象になります。
    3.日本企業と外国間の売買契約で、貨物を日本から外国に出荷する輸出契約と日本以外の国・地域から外国に出荷する仲介貿易契約が対象になります。
    4.貿易保険は新規バイヤーと取引を開始しようと思っている場合、既存取引先との輸出取引額が増えてきた場合、決済方法が前受金から船積後送金に変わった場合、特定のリスク国向け取引のため、リスクヘッジしたい場合などに特に活用がすすめられます。
    5.非常リスクでは、カントリーリスクに応じて、各国をA(リスク低)〜H(リスク高)の8ランクに分類し、国カテゴリー毎に異なる保険料率が適用され、カントリーリスクの高い国では、金額や決済ユーザンスの一部が制限されます。
    6.信用リスクでは、バイヤーの信用状態により格付および与信枠が設定され、格付に応じた保険料率が適用され、格付に応じた取引制限が実施されます。
    7.保険契約には、契約相手先の信用状態が一定の基準を満たしていることが前提となり、契約相手先が日本貿易保険の海外商社名簿に登録されている必要があります。海外商社名簿に登録するためにはダンレポートなどの信用のある調査機関による信用調査書を入手し、日本貿易保険機構に登録する必要があります。
    8.保険の種類には上記の貿易一般保険(個別保険)の他に一定の条件のもとで申し込みが可能な中小企業を対象者とした中小企業輸出代金保険があります。
    9.その他、各国のカントリーリスクの引受基準、保険のてん補率、保険料の計算など、詳しくは日本貿易保険機構の窓口にご相談ください。

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