今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
海外取引を行うに当り、海外の相手先企業の信用調査を行うことが重要と聞きました。
その理由と調査方法、リスク対策について教えてください。
信用調査報告書の入手等により、取引相手先毎に対策や決済方法を判断する必要があります
海外取引をする上で取引相手の信用状況は大きな関心事となります。買主の立場から見た場合、取引相手が原材料や製品を安定的に供給可能な経営状況かどうか、又売主の立場から見た場合、取引相手から代金回収が確実に行えるかどうか、が重要となります。海外取引相手の経営実態や信用状況の把握は、国境の向こうの遠い他国に存在するため、国内取引に比べてより難しくなる傾向にあります。ここでは日本企業が輸出者(売主)の立場で対応を考えます。
海外企業の信用調査方法としては主に以下の方法があります。
・海外企業の取引銀行に対する信用照会 Bank Reference
・海外企業の同業者に対する信用照会 Trade Reference
・民間の信用調査会社の活用 Credit Investigation
・海外企業の信用格付情報の活用 Credit Rating
新たに海外取引を開始する際、第三者である自社の取引銀行や業界関係者を相手に紹介し、信用照会を促す場合があります。
又、民間の信用調査会社や保険会社から海外企業の信用調査レポートや信用格付情報を入手することも可能です。多くの会社が情報提供していますが、Dun&Bradstreet(米系)やCoface(仏系)が有名、一部公的機関では優遇条件での提供をしている場合があります。
主なサービス先は以下の通り(本稿執筆24年7月現在、内容を保証するものではありません)
・東京商工リサーチ https://www.tsr-net.co.jp/service/detail/dun-report.html
・ジェトロメンバーズ(信用調査優遇)
https://www.jetro.go.jp/members/memberservice/option/creditcheck.html
・日本貿易保険(中小企業限定バイヤー調査無料化サービス/格付情報リスト提供)
https://www.nexi.go.jp/topics/general/005735.html
https://www.nexi.go.jp/topics/general/2022121402.html
これら信用調査結果を踏まえ、輸出者自らが代金回収のリスク度合い、決済方法を
判断する必要があります。相手先に回収不安がある場合、前受け、信用状、貿易保険等が考えられますが、取引内容や信用リスク状況により、対策が変わってきますので専門家に相談されることをお勧めします。
(回答日:2024年8月30日)