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工場ではエアコンプレッサを複数台稼働させています。エアコンプレッサの消費電力は大きいと聞きましたが、その省エネ対策について教えて下さい。
エアコンプレッサの省エネ対策には様々な方法があります。
エアコンプレッサは、一般に工場の電力消費量の約20%を占めると言われていますので、コンプレッサの省エネ対策は重要です。以下、エアコンプレッサの代表的な省エネ対策についてご紹介します。
①吐出圧の低減
エアコンプレッサから供給される高圧エアの圧力を吐出圧といいます。多くの工場では吐出圧を0.7MPa〜0.8MPaに設定しています。一方、高圧エアを使用する機器が必要とする圧力は通常0.5MPa以下である場合が多く、機器の動作に支障が生じない範囲で吐出圧を下げると省エネになります。一般的に吐出圧を0.1MPa下げると約8%の省エネになると言われています。吐出圧を下げる際は、機器への影響を慎重に確認する必要があります。
②エア漏れ対策
エアコンプレッサから供給される高圧エアは、その10〜20%はエア配管の継手や機器への接続口で漏れていると言われています。定期的なエア漏れ点検を行い、漏れを撲滅することで省エネが可能です。
③エアブローの適正化
工場では、製品の水切りや付着したゴミの吹き飛ばしのため、エアブローが多く用いられています。ベルトコンベアで製品が順次運ばれ、エアガンから高圧エアを吹き付けていますが、エアガンの前に製品がない場合もエアが供給されている場合をよく見かけます。
センサーを設置し、製品がある場合のみエアを吹き付けるように対策することで省エネすることができます。また最適なエアガンを選択することで、吹き付けの強さや広がりについても最適化し、無駄なエア使用を無くすことができます。
④エアコンプレッサの台数制御、インバータ機導入
複数のエアコンプレッサを同じ配管に接続している場合は、エア需要に合わせて稼働台数を制御する「台数制御」を行うことをお勧めします。また、その1台をインバータ機とすることで、エア需要に比例した電力消費となり、大幅な省エネを実現します。