今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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今までずっと消費財のOEM生産を行ってきました。OEM先では店頭での売れ行きもよいと聞いており、商品力には自信があります。ネットショップを立ち上げて、自社オリジナルブランドで直販したいと考えています。留意点を教えてください。
顧客のリアルな声を収集し、商品コンセプト立案や販売促進に活用していきましょう。
商品の仕様やパッケージ、ネーミングを変えて、自社商品として直販されるとのことですね。現在、OEM供給されている商品は、売れ行きがいいとのことですので、いい商品を作っておられることと思います。
ところで、現在OEM供給されている商品について、どんなお客様が購入されているかはご存知でしょうか。また、どんな場面で使用され、どのように喜んでいただいているかについて把握されていますでしょうか。
商品は、商品力があるだけでは買っていただくことはできません。商品を認知していただく必要がありますし、商品力を知っていただいて、買いたいと思っていただく必要があります。
全国展開している量販店などは、集客力、販売力がありますので、店頭に置いていただくことで、購入の機会としていただくことが可能です。
商品が売れ続けるためには、商品力は必須ですが、最初の購入のきっかけについては、店頭への集客力、店舗への信用力があって成立しているという点についてご留意ください。
新たにネットショップを立ち上げて、直販するということは、ネットショップの存在自体が知られていませんので、まずは、ネットショップに集客することが必要ですし、ネットショップを訪問していただいたお客様に、自社の商品を買うべき理由をお伝えして、買いたいと思っていただかなくてはなりません。
特に、ネットショップでは商品を手に取って確認することができないので、まったく聞いたこともない商品をネット経由で買うことについては、お客様は慎重にならざるを得ません。まして、買うべき理由がわからない商品を買おうという気にはなりません。
お客様の「これほしい!買いたい!」を引き出すためには、今まで困っていたことを解決できるなど、商品を買うことで、お客様にどんな嬉しいことがあるのか、お客様にとってのメリットを具体的にわかりやすくお伝えする必要があります。
そのためには、どんなお客様にどんな場面で、どのように喜んでいただいているかを把握して、ネーミングやキャッチコピー、商品紹介文、広告コピー等を考えていく必要があります。
また、実物を手に取って確認できないネットショップでは、実際に購入されたお客さまの声(レビュー)が重要な意味を持ちます。多くの消費者が、購入者のレビューを確認して商品を購入しています。
お客様のリアルなご意見を収集、把握するために、可能であれば、OEM供給先でのお客様の声(商品評価)を教えてもらえないか、問い合わせてみてください。
OEM供給先からのお客様の声の収集が難しければ、新たに商品のモニターを募集して、お客様の声を収集し、商品コンセプト立案に活かすようにしてみてください。
商品力そのものが同じでも、どんなお客様向けにどのように打ち出すかによって、売れ行きは大きく変わります。
OEM事業では、OEM供給先の要望を元に商品企画、生産されていたことと思いますが、消費者を直接相手に事業展開していくとなると、不特定多数の消費者のうち、どんな人を自社のターゲットとして展開していくか、自社で能動的に決定していくことになります。
商材そのものは変わらなくても、消費者に向けての直販は、今までのOEM事業とは異なる新規事業との意識をもって取り組んでいただきたいと思います。
商品モニターについては大阪産業創造館でも、消費者モニター調査が可能です。大阪市内の中小企業の方であれば、ご利用可能ですので、こうした制度の利用もご検討ください。
サンソウカンdeモニター会
http://www.sansokan.jp/monitor/irai/
なお、現状のOEM生産の場合は、受注生産と思いますが、自社オリジナルブランドでの直販の場合は見込生産となり、在庫リスクを抱える点にもご注意ください。