定期建物賃貸借契約による出店の際の注意点は?の相談詳細(回答) « よくある経営・法律相談 « 経営に役立つ情報 « サンソウカン経営相談室

大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

定期建物賃貸借契約による出店の際の注意点は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 定期建物賃貸借契約による出店の際の注意点は?

    飲食店の新規出店を考えていますが、対象の物件は、定期建物賃貸借契約となっており、10年の期間となっています。双方合意で再契約もできるという条項もありますが、注意しなければならない点はあるでしょうか。

    更新がない点と中途解約ができないリスクがある点に注意しましょう。


     定期建物賃貸借契約は、期間の満了により終了する旨を明記した書面での契約を行うなど一定の要件を満たせば、借地借家法の契約更新の規定が適用されない契約のことをいいます。通常の賃貸借契約では、正当な事由がなければ賃貸人が契約の更新を拒絶することができないのですが、定期建物賃貸借契約では、正当事由がなくても期間の到来により賃貸借契約を終了することになります。
     契約終了後に双方合意による再契約を結ぶことは妨げませんが、賃貸人が再契約を望まない場合は、法律の定める手続を履践することで、期間の満了で契約終了となり、借主は原状回復をして物件を明け渡さなければならないことになります。
     定期建物賃貸借は、更新がない点で賃貸人に有利な契約となっているため、家賃が安く設定されている、審査が緩いなどの利点があるようですが、規定されている賃貸借期間で投下した分の利益を十分に上げることが可能な期間かどうか注意する必要があります。
     また、居住用建物では、法律上やむを得ない事情による中途解約権が認められていますが、事業用建物には、そのような規定がないため、契約の中で中途解約の条項がなければ期間まで借り続けなければならないことになります。
     仮に中途解約条項がある場合も、一定期間まで借りるという内容を重視して、期間満了までの賃料相当額の合計を違約金として定めていることが多く、中途解約条項の有無・内容を確認し、事業が上手くいかなかった場合に対応できる規定となっているかにも注意が必要です。

回答した専門家
法律(弁護士)

大西 隆司

法律問題を経営戦略の視点に立ってサポートします

企業の法律問題を解決するには、経営者の方が事業のリスクをどのようにとらえ、どのような対応をしていくかの選択が重要です。個別の法律問題を通じた現実的な解決策だけでなく、企業を強くする予防策、対応策まで提供したいと考えております。

ライセンス

弁護士

重点取扱分野

契約書の作成(取引基本契約、代理店契約、OEM契約、ライセン...

カテゴリーで相談を探す

ページトップへ戻る