今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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当社は、企業のある商品の市場調査に関する業務の依頼があり、業務委託契約を締結する運びとなりました。一定期間の調査となるのですが、どのように業務の内容を定めるとよいでしょうか。
請負か委任かを意識しつつ、業務を具体的に定めておくべきです。
業務委託契約は、一定の業務について外部の企業に委託する契約で、その業務内容は、製造委託・OEM契約などから、運送業務、管理部門のアウトソーシング、専門性のある調査業務やコンサルタント業務など、多種多様な内容を含みます。
そのため、業務委託契約では、当該契約の業務内容がどのようなものか、できるだけ詳細に特定しておくことが重要です。
契約内容が、民法の定める請負契約(仕事の完成に対し報酬を支払う契約)か、準委任契約(一定の事務の遂行に対して報酬を支払う契約)のどちらかで解釈し適用条文を決めていくことになりますが、両者は、報酬の支払時期や仕事の内容が不十分である場合の対応等の規定に違いがあり、あいまいなままトラブルになると想定していた契約類型と違う規定が適用されるリスクがあります。
今回は、市場調査に関する業務となりますが、そのような漠然とした業務内容を記載するのではなく、調査内容、調査の方法、調査期間、報告方法、業務の対価、支払時期などできるだけ具体的に定めておきましょう。
詳細が決まっていない段階の契約の場合も、既に依頼が決まっている範囲について具体的な内容を明記するとともに、可能性のある調査業務について、単価表などを用いて、業務内容、報酬等の概要を記載しつつ、個別発注となる条件や形式を定め、詳細が決まった時に、どの業務を受けたのか明確にできるよう工夫されるとよいでしょう。
また、調査結果の報告について、調査結果を踏まえた商品販売戦略の提案書までを成果物として規定し、検収に合格すると報酬が支払われる規定がある場合は、仕事の完成を目的とする請負契約と解釈され、受託者の提案内容の結果が契約目的に適合していたかどうかの責任が出てくる場合があります。
業務の報告として決められた調査方法に従って調査した内容をそのまま報告する準委任契約であるのであれば、検収の合格が報酬の支払いの条件とならないよう注意が必要です。