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私は二代目の経営者です。確定申告書を初めて見たところ、別表二に、創業者である父の友人が、当社の20%株主と記載されていました。このまま放置すると、どのようなリスクがあるでしょうか。取るべき対策を教えて下さい。
創業者の存命中に適切な対策を取るべきです。
1.放置した場合のリスク
名義株主であっても、株主でないことを立証できない限り、株主として扱う必要があります。つまり、役員選任や決算承認の際に、株主招集通知を発送したり、株主総会議事録に署名押印を求めたりする必要があります。また、株主として経営について意見を出された場合、誠実に対応する必要があります。
更に、名義株主が亡くなったり株式を譲渡されたりした場合、相続人や全く知らない他人を株主として扱う必要があり、経営に支障が生じかねません。特に、二代目経営者が名義株主に会ったこともない場合、創業者が亡くなってしまうと株主として記載されている理由すら調査することができなくなってしまいます。
2.株主名簿の訂正、株式の贈与・買取り
まずは、名義株主が本当に権利を有する株主(真実の株主か否か)かを確認する必要があります。設立時から株主となっている場合は、会社設立時に実際に出資をしたのか、創業者が単に名前を借りたに過ぎないのかを調査します。
単なる名義貸しであれば、株主名簿の訂正を行うとともに、名義株であることの確認書等を取得して、真実の権利関係に合致させるべきでしょう。
これに対して、真実の株主である場合は、株式の贈与を受けるか、相当対価による株式買い取りを申し出るなどの対応を行うことになるでしょう。
いずれにせよ、創業者が亡くなると話し合いも難しくなる可能性があることから、創業者に依頼して名義株主との話し合いをしてもらうべきです。
3.定款変更の検討
次に、①名義株主が亡くなったり、②株式を譲渡されたりして、株式が分散するリスクを防止するため、定款変更を検討すべきでしょう。
具体的には、①相続人に対する売渡請求制度、②株式譲渡制限の規定が存在するか定款を確認していただき、このような規定が存在しない場合には、定款変更を行うべきです。
定款変更を行うためには、株主総会を開催することが必要です。そこで、定款変更についても、創業者がご存命の間に対応するべきでしょう。