今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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弊社で開発した商品宣伝のために、ある有名人の写真を商品やウェブサイト上に掲載しようと思っております。何か許諾を求める契約を締結する必要はあるでしょうか。
もちろん許諾契約の締結が必要です。素材の選定に注意をしましょう。
① パブリシティ権の本質:顧客吸引力の無断利用
有名人の氏名や肖像には、商品の販売などを促進する「顧客吸引力」という経済的価値があります。これを無断で広告やコンテンツに利用する行為は、人格権としての「肖像権」だけでなく、「パブリシティ権」の侵害となります。これは、商品ページ上のみならず、SNS上の投稿などでも問題になります。
② 公式投稿の「埋め込み」
SNSの標準機能である「埋め込み」を利用すれば、著作権法上は問題ないとされるケースもあります。しかし、肖像権又はパブリシティ権も同様に扱うことができるわけではありません。
たとえば、X(旧Twitter)の規約上、2026年2月現在、著作権については広範なライセンスをXに付与することになっており、この権限に基づきXがサブライセンスで埋め込みを許諾しています。他方で、肖像権又はパブリシティ権については規約上の定めは特にないようです。そのため、有名人のXの投稿を自社サイトに埋め込んでその顧客誘引力を利用した場合、パブリシティ権侵害の問題となる可能性は否定できません。
③ 生成AI時代の新リスク
特定の有名人を学習させたAIによる画像生成や、ディープフェイク技術を用いたコンテンツ制作は、パブリシティ権侵害を構成する可能性が高いものと思われます。「実写ではないから」「AIが作ったものだから」という弁明が通用するとは考えにくいところです。
このように、有名人の写真を利用すると、パブリシティ権侵害の問題に直面することになります。この問題を解決するには、正面から許諾を得て写真を利用するしかありません。そして、権利関係が不明確な素材は使用しないように気をつけてください。
(回答日:2026年2月27日)