訪問販売における事業者のクーリングオフ制度についての相談詳細(回答) « よくある経営・法律相談 « 経営に役立つ情報 « サンソウカン経営相談室

大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

訪問販売における事業者のクーリングオフ制度について

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 訪問販売における事業者のクーリングオフ制度について

    タバコ屋を経営しています。先日FAX機器の訪問販売があり、お客様にとってタバコなどの注文がしやすくなると思い、FAX機器のリース契約をしました。しかし契約したものの、月々のリース料金を考えると割高だと気付きました。4日前に契約したところなので、クーリング・オフができると思い、解約の申し出をしたところ、クーリング・オフはできないと言われました。どうしてなのでしょうか?

    1.訪問販売におけるクーリング・オフ制度は、事業者には適用されません。

     クーリング・オフ制度は、もともと、事業者に比べて立場の弱い一般消費者を保護するために特別に認められた制度です。以前は、訪問販売法などに規定がありましたが、現在では、「特定商取引に関する法律」などにまとめられ、いわゆる訪問販売、電話勧誘販売などについて一定の条件のもと、消費者の側から特別な理由なく契約を解除 (クーリング・オフ)することが認められています。このように、もともと、消費者保護のために作られた制度であることから、クーリング・オフ制度については事業者同士の取引には適用されません。
    したがって、ご質問のようにタバコ屋を営んでおられる方が、個人としてではなく「タバコなどの注文がしやすくなると思い」、つまり、営業に使用する目的で契約をした場合にはクーリング・オフ制度は適用になりません(特定商取引に関する法律26条1項)。
     このように、事業者が、営業のために、あるいは営業として契約を締結する際には安易に契約解除(クーリング・オフ)をすることはできませんから、十分慎重に検討することが必要になります。 ただし詐欺や錯誤がある場合は、取引の効力を否定できます。

     なお、消費者のクーリング・オフ期間について下記に示しておきます。事業経営に必要な事項ですので、参考にしてください。


       クーリング・オフの期間(主なもの)

    商法 クーリング・オフ
    期間
    取引内容 クーリング・オフ
    期間
    訪問販売 8日 マルチ(まがい)商法 20日
    キャッチセールス
    (街で声を掛けられた)
    8日 エステティックサロン、学習塾、
    語学教室、家庭教師
    8日
    中途解約も可能
    アポイントメントセールス
    (電話等で呼び出された)
    8日 内職商法 20日
    催眠商法
    (無料で商品を配って人を集め、
    密閉された会場内で
    高額商品を販売)
    8日 通信販売 クーリング・オフなし
    電話勧誘販売 8日 モニター商法 20日

カテゴリーで相談を探す

ページトップへ戻る