大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

一般的なクレーム処理について

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  • 一般的なクレーム処理について

    当社が販売した商品について,顧客からクレームがつき,返品を求められています。
    返品の請求に対しては常に応じなければならないのでしょうか。また,販売してからかなりの期間が経過していても,応じなければならないのでしょうか。

    商品の性質、欠陥の程度、欠陥に対する顧客の認識、あなたの過失の有無によって変わってきます。
    1.商品が量産可能な不特定物であった場合

     商品があなたの過失により受注内容と異なる商品を引き渡していた場合には、完全な履行をする義務があるため、返品に応じなければなりません。

     顧客に引渡した商物が,事前に示していた見本と全く異なった商品であったり,欠陥を有していたり,10個1組の商品と明示して販売したのに9個しかなかったり,というように,明らかに注文と異なる場合,販売者側に帰責性があるならば、返品に応じるなり不足分を追完するなりして完全な商品を引渡さなければならない義務があります。これは契約上の履行義務があるためです。

     債務不履行責任は、契約から10年経たなければ時効消滅しませんが、あまりにも長期間になりますので,商品の形状や使用方法等に応じ,信義則に従ってこれが相当期間に制限されることもあります。

    2.商品が特注品や中古品などの特定物であった場合
      
     商品が特注品、中古品といった,その物の個性に着目した特定物である場合に、隠れた欠陥があり、契約目的が達成できない場合には、顧客が瑕疵に気づいていなかった場合,契約が解除され、商品の返品に応じなければなりません。顧客から返品を請求されているということは,法律的にみれば,顧客が契約を解除して売買の目的物を返還し,同時に代金の返還を求めていることになります。
     契約目的が達成できる程度の瑕疵であれば、返品に応じる必要はないものの、損害賠償義務を負います。顧客が承諾する場合には、損害賠償の代わりに修繕に応じることも可能です。また返品を受け付けて代替品の提供をすることも可能と考えられます。
     以上は瑕疵担保責任ですが、あなたが瑕疵担保責任を負担するのは、瑕疵の存在を知ってから1年間です。

     なお,特定物であっても,瑕疵が取引後にあなたの故意・過失によって生じたものであれば、債務不履行責任が生じ、返品(契約解除)や損害賠償の支払いを求められ宇ことになります。

    3.商品自体に欠陥がない場合

     商品に欠陥がなかった場合でも,通常はよく顧客の求めに応じて返品を受けつけたり他の商品との交換を認めることがあります。しかしこれは企業は顧客サービスとして営業上の配慮により行われているものと考えられ,商品に欠陥がなければ売買契約としては完全に履行が終わっているので,法律上は顧客から返品請求があっても全く応じる必要はないと考えられます。

     なお瑕疵担保責任に関する民法規定の改正が予定されていますので、ご注意下さい。

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    1瑕疵担保責任:特定物(その物自体が有する個性に着目して取引される物)の売買における売主が、売買の目的物に「瑕疵」(欠陥)があった場合にその瑕疵を埋め合わせする責任。

    2不完全履行:債務者が、その責めに帰すべき事由(故意、過失)によって、債務の本旨に従った履行をしないこと債務不履行という(民法415条)。 履行期に遅れた履行遅滞、履行することができなくなった履行不能、および履行はしたが十分でなかった不完全履行の3つの態様がある。

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