今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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「見本誌を差し上げます。同封のアンケートにご回答のうえ、御社名を記名・押印してご返送いただきましたら幸いです」との案内文とともに、雑誌が送付されました。アンケートに回答したところ定期購読の申込みがあったとして購読料を請求されたのですが、支払う必要があるのでしょうか。
契約が成立しておらず、購読料を支払う必要はありません。
契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立するとされています(民法第522条第1項)。
ご質問の場合は、記名・押印したのはあくまでもアンケートに対する回答であって、雑誌の定期購読をする趣旨ではありません。したがって、アンケートへの回答は定期購読の申し込みではない以上、定期購読に関する契約は成立しておらず、購読料を請求されたとしても支払う必要はありません。
ただし、注意を要する点もいくつかあります。まず、アンケート用紙の記載内容をよく確認する必要があることです。アンケート用紙に「このアンケートの回答とともに雑誌の定期購読を申し込みます」等の文言が入っている場合は、回答をするとそれが申込みの意思表示であると主張されてしまうおそれがあるからです。
また、回答したアンケートに申込みを意味するような記載がない場合や、回答をしなかった場合であっても、「見本誌」以外に定期的に雑誌が送付され続けている場合も注意する必要があります。定期的に雑誌が送付され続けているにもかかわらず、何も異議を述べなかったとして、定期購読の申込みが黙示的にあったと主張されてしまうおそれがあるからです。
いったん契約が成立した場合、錯誤・詐欺による取消(民法第95条・第96条)なども考えられるところですが、要件の立証が容易ではなく取消が認められないことも十分に考えられるところです(なお、事業者であっても消費者保護に関する規定の適用が認められた裁判例もありますが、基本的には適用除外と考えておいたほうがよいでしょう)。望まない契約の勧誘があった場合には、契約をしない旨を明確に伝えることが非常に重要であると考えます。
(回答日:2026年2月27日)