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知的資産経営ということを聞きました。これは、企業にとってどのように使えるものなのか、活用方法を教えてください。
経営強化・改善、組織活性化、新規顧客開拓などに活用できます。
知的資産とは、企業の見えざる資産です。具体的には、その企業特有のノウハウ、工夫、習慣、技術・技能、経営理念、組織風土、対外的な信用力、供給会社等との協力関係やネットワークなどを言います。
知的資産経営とは、自社の知的資産を活用した経営を行うことです。知的資産を活用するためには、自社の知的資産をまず社内で共有化する必要があります。そのために、社員間で議論しながら、自社の知的資産を洗い出し、知的資産経営報告書としてまとめていきます。
作成した報告書は、経営ツールとして活用するほか、社外に開示することで社外からの理解、協力を得ることによる経営強化を目指します。知的資産経営報告書の具体的な活用例を以下に説明します。
1.経営改善・強化ツール
日頃、仕事の中で当たり前のように取り組んでいるノウハウや工夫を自社の知的資産として捉えなおすことで、自社独自の強みが明らかになります。自社が伸ばすべき強み、共有するべきノウハウを知的資産として定義し、強化目標を設定して、社内で取り組むことによって、自社の経営改善、経営強化を行うことができます。
2.組織活性化ツール
知的資産経営報告書を作成するためには、社員が集まって、業務プロセス分析や自社の強みの洗い出しを行うことが必要です。このディスカッションが業務に関する意見交換の機会につながり、自発的な意見交換を促すことで、組織活性化を行うことができます。また、自社の強みを再認識することで、モチベーションアップの効果も期待できます。
3.事業承継ツール
知的資産経営報告書作成を通じて、後継者育成を行うことができます。後継者が中心となって知的資産経営報告書を作成することで、自社についての理解を深めることができるほか、後継者が自社の今後の方向性について戦略を立案することにも役立ちます。
4.人材育成ツール
知的資産経営報告書を読むと、社長の想いや理念、ビジョン、企業が目指す方向、自社の今までの沿革などが理解できます。新規に採用した社員に自社について知ってもらい、理解を深めてもらう人材育成ツールとして、知的資産経営報告書を活用することができます。
5. 新規顧客開拓の営業ツール
知的資産経営報告書は、新規顧客開拓の営業ツールとして有効です。知らない企業や信用できるかどうかわからない企業と新たに取引をする会社はありません。新規取引を開始してもらうためには、自社の良さを知ってもらう必要があります。そのツールとして、知的資産経営報告書は最適です。
6.金融機関や業務提携先など社外の関係者への説明ツール
知的資産経営報告書を自社の説明ツールとして使用することができます。決算書には現れない自社独自の良さや取り組みを理解していただくことで、協力を引き出すことが可能になります。