今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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毎月試算表を作成し、月次決算を行っていますが、黒字か赤字かの確認で終わってしまい、どのような打ち手を考えるべきかという本来の月次決算の目的を達していないように思います。どうすればいいでしょうか?
経営者が見るべき数字を、現場の数字と結び付けて振り返りをしましょう!
月次決算は、「自社の活動は、合っていたのか、間違っていたのか」、経営の答え合わせと軌道修正のための材料です。経営判断に活かせていない原因としては、経営者にとって関心ある数字にブレイクダウンできていないこと、現場感のある数字とリンクしていないため記録と記憶がつながっていないことなどが挙げられます。
1)経営者にとって関心ある数字にブレイクダウンするには
・この勘定科目の内容は、これだ!とすぐにわかるものを使う
支払手数料の中に、振込手数料、人材紹介料、コンサルティング料など、経営者の頭の中で”位置付けが異なるもの”が混じっていると、経営判断に役に立ちません。
・経営者が知りたい切り口でアウトプットができること
「売上高」ではなくて「店舗売上」「EC売上」というようにブレイクダウンします。また、EC売上の中でも、楽天、Amazon、など媒体別に内訳を分けるなど、すぐにわかる勘定科目や部門の設計が大事です。
・把握しやすいように変動損益計算書に組み直すこと
こちらについては、別のFAQ「帳簿をつけて試算表を出していますが、どのように経営に活かすのでしょうか」に詳しく記載しております。
https://www.sansokan.jp/akinai/faq/detail.san?H_FAQ_CL=0&H_FAQ_NO=1264
2)現場感のある数字とリンクさせ、記録と記憶をつなげるには
会計(Accounting)は、活動の結果を数字で見えるようにし、経営の答え合わせと軌道修正をするための材料です。会計の”円”(金額)を追うだけでは、活動の内容が見えません。
ポイントは非財務数値です。顧客数や新規客数、労働時間(正社員/パート)や生産量、稼働日数など、試算表には載っていない重要な数字です。
例えば、美容院では、総客数、新規客数、媒体別新規客数、再来店客数、一人当たり売上高、稼働日数、1日当たりの売上などが重要な非財務数値です。これらの非財務数値とその月々の活動内容と一緒に、結果である売上の数字を追うことが重要です。売上が増えたのは、単価が増えたのか、客数が増えたのか、客数が増えたなら、どんな取組が効果的だったのかを確認して、次の打ち手を検討します。このように、非財務数値と組み合わせることで、経営判断に活かせる会計=管理会計が実現できると考えます。
(回答日:2025年10月3日)