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銀行とのやりとりの中で、融資や支援を受けやすくするために、経営者はどんな姿勢を大切にするといいですか?
銀行との信頼関係は「接触頻度」と「情報開示」が大切です。
銀行は多くの企業と取引をしています。そのため、1社あたりにかけられる時間は限られており、必ずしも自社の業界やビジネスモデルを十分に理解してくれるとは限りません。決算書は1年に1度しか作成されませんが、企業の業績や事業環境は日々変化しています。つまり、銀行が把握している情報と、実際の事業の状況にはギャップが生じやすいのです。
特に中小企業への融資においては、財務内容だけではなく「経営者の人となり」や「事業への理解度」が重視されます。銀行は決算書だけで企業を評価できないため、経営者が信頼できる人物であるか、また事業が将来性を持っているかを、普段のやりとりから感じ取ろうとしています。
そこで大切なのは「接触頻度を上げること」と「自社や経営者について理解してもらう努力を惜しまないこと」です。たとえば、月次で簡単な業績資料を開示したり、事業内容やビジネスモデルを説明する機会を設けたりすることが有効です。銀行員はすべての業界に詳しいわけではありませんから、自社の強みや取り組みをかみ砕いて説明することが、理解促進につながります。
また、問題や課題があれば早めに相談する姿勢も信頼感を高めます。悪い情報も隠さず共有し、どう改善していくかを伝えることができれば、銀行側も「協力して支えたい」と考えるようになります。
銀行は「安心して融資できる取引先」を求めています。そのためには、経営者の誠実な姿勢と、継続的な情報提供が欠かせません。信頼関係は一朝一夕では築けませんが、日々の小さな積み重ねが銀行との関係を強くし、将来の資金調達にも大きな安心感をもたらしてくれます。
(回答日:2025年10月1日)