今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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売上高の目標はありますが、目標達成に向けて、どのように社員の活動に落とし込んでいくかが課題と感じています。KPI管理が重要だと聞いたのですが、どのように設定すべきでしょうか。
理想的な状態を定義し、その状態になるための活動をKPIとして管理しましょう。
目標の売上高につながるための重要な指標として、例えば客数や単価、稼働率、案件数、ネゴ数など、管理すべき数値として様々な指標がありますが、あれもこれも追うことは難しいですね。社員には、どの数字に着目してもらうのがよいのでしょうか。
例えば、あなたが塾を経営している経営者だとします。塾のコンセプトとして、勉強が得意でない子どもたちに「勉強ができる」という成功体験を身につけてもらい、将来の選択の幅を広げたいと考えているとします。
売上=客数×単価ですから、生徒数50人を確保したいと売上高の目標を設定します。では、この目標を達成するためには、どのような活動をすべきでしょうか。これをKPI(Key Performance Indicator 「重要業績評価指標」の略で、目標に対する各プロセスの達成度合いを評価するための指標 )として設定する必要があります。
まず、目標と活動の間に、「目標達成可能な理想的な状態」を挟みます。
「目標達成可能な理想的な状態」とは、目標達成への阻害要因を取り除くことができている状態で、このケースの場合は、生徒数50人を達成しているとしたら、顧客(=お金を出す親)の気持ちをどのように動かせたらそうなるか、ということを考えます。
生徒数50人
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目標達成可能な理想的な状態
↑ ↑ ↑
活動 活動 活動
競合の塾がたくさんある中で、ひたすら説明会や紹介依頼をしたところで、生徒が集まるとは限りません。どうなったら、生徒が集められるのか?その理想の状態をまず決めてから、活動を検討していきます。
今回の場合、「目標達成可能な理想的な状態」を、「塾なんて通ったって、気休めでしかないわ」という親の気持ちが、「この塾へ通えば成績が上がるものなのね」と納得している状態と定義し、そのための活動を決めます。
・中間テスト前にモニターとなる生徒を1カ月間無料で指導(KPI①)、
・モニター生徒の成績アップ(KPI②)
・その成功談をWebサイトでコンテンツ掲載(KPI③)
・リスティング広告で認知拡大(KPI④)
ここまでやれば、理想的な状態が作ることができるのではないでしょうか。
・さらに、入会金無料キャンペーンで後押し(KPI ⑤)
このように、理想的な状態をつくるための活動量をKPIとして設定し、日ごろの活動に落とし込んでいけるとよいと考えます。そして、定期的に思ったような結果が得られたかどうかを活動とともに振り返ることが大切です。
(回答日:2024年9月2日)