今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
たこ焼き屋を開業して1年経過しました。
たこ焼きを焼いていることでお客さんが来店してくれている感覚があり、常に焼き続けていると、結果的に大量のロスが発生し利益を圧迫していることに気付きました。
常に作るのをやめると売り上げが下がるのではと思い、なかなかロスを減らすことができません。どうすればいいでしょうか。
データ分析によってロスを減らすことができるのでデータ管理から始めましょう
たこ焼き屋では、テイクアウトを希望するお客様の心理として、すぐに持ち帰りたいと思っているため、立ったまま10分程度待つのを嫌がり、購入を断念する人が少なくありません。
今回のご質問は、実演販売的要素としてたこやきを焼くパフォーマンスを続けていると必要以上にロスが出るということなので、お客様が来店しない時間帯であっても大量に焼いているため、実演販売をしても売れずにロスになっていると推察します。
たこ焼き屋のロスを減らすために、次の2つのステップを取り入れてください。
1.ホールディングタイムの設定
一般的にたこ焼き屋では、焼いたたこ焼きのストック方法と廃棄基準を店舗で決めています。例えば、パックに入れてウォーマーで保管するパターンと、短い時間であればたこ焼き器で保存しているパターンがありますが、廃棄の基準は各店主の感覚で決められています。
ウォーマーでストックするホールディングタイムの決め方は、ストックした状態で5分おきに食べて自分の基準で美味しくないと判断した時までが、ストック可能なホールディングタイムです。ウォーマーで30分と決めれば、それ以内であれば販売することになります。
たこ焼き器の場合は、火を消して何分までなら再度加熱しても美味しいかがホールディングタイムです。
まず自分の店の基準を決めて下さい。
2.販売データの分析
次に、販売時間帯別に販売個数と来店客数を記入する習慣をつけて下さい。
POSを利用している場合はPOSで調べることができます。
1日の出数÷客数で一人当たりの平均購入パック数が算出されます。
例えば、12時から13時に15人で平均購入パック数が1.5の場合、23パック売れることになります。
クッキングタイムが10分で1回に焼けるパック数が4とした場合、1時間当たりの工程数は6×4=24パックが製造できます。
1時間で15人の接客をすると、4分に1人対応することとなり、工程数がクリアーできません。
そのため、ホールディングタイムを考えて、30分前からストックすれば、より多く対応することができます。
また15時から16時が平均2人の接客をとすると3パックとなり、20分に1人前焼けばよいことになります。
時間帯別に対応する出数を標準化できれば、ホールディングタイムと合わせてたこ焼きを焼くことで、お客様が来る時に実演販売に近い状態で処理することが出来ます。
逆に一人も来店しない時間帯が確実にあれば、その時間帯に実演パフォーマンスをしても集客率は上がらないので、この時間帯はストック販売かオーダーメイドで対応するなどの細かな対応をすることでロスを減らすことができ、持続可能なお店になると思います。
(回答日:2024年8月30日)