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飲食店における「のれんわけ制度」の注意点を教えてください。

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  • 飲食店における「のれんわけ制度」の注意点を教えてください。

    ラーメン店を7店舗経営していますが、今後、新規出店するほどの余裕はなく、社員の士気も低下しています。「のれんわけ制度」を導入して社員のやる気を高めたいと考えています。制度構築の手順を教えてください。

    社員の店長やオーナーになりたい気持ちを刺激して士気を高めることができます。



    飲食店で働いている人のなかには、店長を経験して独立を希望する人が一定数います。
    店長をめざす社員は、会社が出店するかもしくは店長が辞めない限り、店長というポジジョンが発生しないので、今回の様に士気が低下し始めます。
    また、会社側にとっては、せっかく育成した社員が独立することで損失を被る可能性もあります。
    のれん分け制度を導入することで、社員の士気を高め、企業にとってもメリットを享受できる可能性があります。
    特にYZ世代の社員に関しては、個人で独立するよりもリスクの少ないのれんわけ制度があれば、明確なキャリアプランやライフバランスを考えながら、店長や独立をめざす人も増えるため活気がでます。
    また、のれんわけ制度を利用してくれれば、会社側にとっても、人材を確保して店舗数を拡大することができます。
    のれんわけ制度構築の手順を簡単にまとめておきます。

    1.キャリアプランの整備
    出店速度や既存の店舗数によって、社員が店長に昇格するチャンスは大きく変化します。
    入社から店長に昇格するまでの期間が年々長くなることもあるので、モチベーションを維持するために、役職を多く設定したキャリアプランを考えてください。
    例として、SV(スーパーバイザー)、のれん分け店長、店長、副店長、主任、副主任、一般などと区別し役職を設定します。店長昇格後は管理職としてSVになるか、のれん分け店のオーナー(委託店長)になるか、自己実現に向けた選択ができる体制を構築します。

    2.昇進基準の明確化
    昇進基準を明確にしたジョブディスクリプションを作成し、各役職での役割・能力を明確化することでモチベーションを維持させます。特に店長からのれんわけを希望する場合の基準を明確に示すことで、社員がめざす目標の項目となります。
    具体的な基準としては、店長の経験年数、店長としての一定以上の評価、資金がいくら準備できているかなどが考えられます。

    3.店舗の貸し出し
    社員ののれんわけが決まったら、直営店の既存店舗を一定期間社員に貸して期間を更新させることがポイントです。第三者的にみて、本部の指示に従ってイメージが統一されているかや、店舗のQSCを維持してもらうことが求められます。簡単に言えば社員用のフランチャイズシステムですが、店舗を会社が貸すことで社員の開業資金は大幅に減り、顧客を引き継ぐので、個人で独立するよりリスクが大幅に低くなります。

    4.運営方法
    資金と商品の流れを検討します。直営と同じ看板・同じルールで営業してもらうので、食材の納品方法と資金回収方法、ロイヤリティー(本部からの指導内容)の金額と徴収方法、
    家賃の回収方法、売上金を回収して経理処理する方法などがあります。店長は直営の時と同じく店舗運営に専念してもらい、それ以外の仕事は本部が代行するイメージです。

    特に3と4の内容を文章化して、契約書を作成すれば構築の手順は完成します。

    (回答日:2024年8月30日)

回答した専門家
店づくり・店舗運営

堀越 昭夫

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