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製造業で設備が老朽化して生産性が低下している場合には、どのようにすればよいのでしょうか。
設備対策の判断基準を決めましょう。
設備投資が老朽化している時は、3つの場合に分けて検討するとよいでしょう。
①老朽化した設備を使い続ける場合
②老朽化した設備を廃棄して別の設備で補完する場合
③老朽化した設備を廃棄して新規設備を導入する場合
①②の場合、老朽化した設備や補完に充てる設備について「予防保全」の考え方で保全を行います。予防保全とは生産設備が故障を起こす前に異常を発見して整備し、生産のできる状態を維持するため、計画的に行う保全のことです。具体的には、日々の清掃活動の中に、「異音がないか」「油漏れがないか」「ゴム類が劣化していないか」など設備の点検活動を行い、普段と異なる異常をいち早く見つけます。異常を見つけたら修繕して、設備台帳に修繕箇所、修繕日、修理費など記載して履歴を残します。
また、設備の消耗部品などは故障する前に計画的に取り換えます。設備が故障してから対策するより、計画的に取り換える方が生産性を維持できるからです。設備の点検活動については「清掃点検一覧表」を作成しましょう。「清掃点検一覧表」に「どの設備の」「どの部品を」「どの間隔で点検するのか」を記録しましょう。清掃活動と設備点検活動を一体化することで、設備をより長く、安全に使用することができ、安定した生産性を維持できます。
③の場合は新規設備の導入に当たり採算が合うのか見積もります。設備投資の採算性を評価するには、設備投資をすることでどれだけのキャッシュフローを生み出せるのか検討します。代表的な手法として回収期間法があります。回収期間法は、投資した設備金額をどれだけの期間で回収できるかを判断する手法です。設備投資をすることで生産数量を高めて「増加した売上額」と生産性を高めて得られた「コスト削減額」を合わせて、得られた利益「キャッシュフロー増加額」を計算します。
回収期間=設備投資額÷各期のキャッシュフロー増加額 の式で求められます。想定の回収期間が計算した回収期間より短い場合は採算が合うことになります。
貴社に合うような設備対策の判断基準を十分に考えて進めて下さい。
(回答日:2024年8月23日)