今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
コロナでゼロゼロ融資を借りました。借入の返済開始が始まり、返済が苦しいです。このような場合に、何かできることはありますか?
どうしても返済できない場合は早めのリスケも一つの選択肢です。
返済が苦しいと、落ち着いて事業に専念することもできないと思います。
まずは現状がどうなっているか、数字をしっかり直視することが重要です。
具体的には、以下の2つのステップで考えてみてはいかがでしょうか。
1.営業キャッシュフローが赤字である場合
営業キャッシュフローとは、本業による稼ぎです。具体的には以下の数字で判断します。
(1)当期純利益+減価償却費
(2)経常利益-法人税+減価償却費
(特別損益の数字が大きくなければ、上記(1)、特別損益の数字が大きければ、上記(2)で計算ください)
上記を計算してみて、黒字であれば、本業で一定の稼ぎが出ているということになり、赤字であれば、事業を行えば行うほど、お金が流出していくということです。
その場合は、早急に資金流出を止める必要があります。まず、以下などで改善できないかご検討ください。
・固定費の大幅削減
・不採算事業からの撤退
・赤字商品の廃止
また、不稼働の資産売却などで一時的に資金繰りに余裕を持たせて、その間に抜本的な改善ができないかなども合わせて、ご検討ください。
2.営業キャッシュフローが黒字である場合
次に営業キャッシュフローは黒字であるけれど、返済ができないという場合です。
この場合、おそらく以下のような状態です。
当期純利益+減価償却費 < 年間の返済額
まずは、追加の借入や返済期間を長期化する借換などができないか、取引金融機関に相談してみましょう。
相談の結果、不可であった場合には、暫定的なリスケジュール(以下、リスケ)も一つの選択肢です。リスケとは、一時的に借入の返済猶予をしてもらって、その間に経営改善をめざす事を言います。
具体的には、お金を借りている金融機関に、経営改善計画書を提出して、リスケの依頼を行います。
元本返済をなくして資金繰りを良化することで、事業に専念できる状況を作り、経営改善に注力し、また返済を再開できるだけの利益を創出することをめざします。
ここで、とても大事な留意点があります。
それは、リスケ期間中は、新規の借入はできないということです。リスケに躊躇して、「何とかなる」とリスケを先延ばしすると、結果的に手元資金が枯渇し、リスケを承認してもらったとしても、資金繰りが回らない事態が起こり得ます。
業績が悪化した際は、冷静な判断ができないことが多いと思いますが、経営改善は早めの着手が重要です。まずは専門家に相談してみましょう。
(回答日:2024年8月22日)