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相続・生前贈与の税制改正があったことを知りました。生前贈与加算の持ち戻し期間の延長について簡潔に教えてください。
生前贈与加算の持ち戻し期間が3年から7年に延長されました。また、令和12年までの相続は相続発生年に応じ持ち戻し期間が異なります。
この改正は、相続税と贈与税の一体化改革(資産承継の時期・方法等によって税負担が変動しない仕組みづくり)の一環で行われたものです。
改正前・後の相違点、相続税申告への影響等は以下の通りです。
[改正前]
相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始前3年以内にその相続に係る被相続
人から暦年贈与による贈与により財産を取得したことがある場合には、その贈与により取得
した財産の価額を相続税の課税価格に加算する。
[改正後]令和6年1月1日以後の贈与取得財産に係る相続税について適用
相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始前7年以内にその相続に係る被相続
人から暦年贈与による贈与により財産を取得したことがある場合には、その贈与により取得
した財産の価額(その財産のうち相続開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産
については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額)を相続税の課税価格に
加算する。
◆相続税申告への影響(相続発生年に応ずる生前贈与加算の持ち戻し期間)
令和6〜 8年 相続発生 … 相続開始前3年間
令和9〜12年 相続発生 … 令和6年1月1日から相続開始日まで
令和13年以降 相続発生 … 相続開始前7年間
◆加算対象者は改正なし
改正前・後ともに、「相続又は遺贈により財産を取得した者」が加算対象者となります。
よって、孫への贈与は持ち戻しされずに贈与できる可能性があります。
しかし、孫への贈与であっても子が先死亡のケース(代襲相続)や遺言有のケース(遺贈)
等では、「相続又は遺贈により財産を取得した者」に該当し持ち戻し対象となりますので注
意が必要です。
相続対策として生前贈与をご検討されている方は、ぜひ経営相談室をご利用ください。
(回答日:2024年8月22日)