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現経営者が所有する自社株について承継を検討しており、方法として、相続・贈与・売買がある事を知りました。
これらの内容と選択の仕方について教えてください。
各承継方法の特徴を理解し、自社に最適な方法を選択しましょう。
自社株の承継方法には、相続・贈与・売買があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
◆[相続]
現経営者の相続後に、遺言又は遺産分割協議により、後継者が無償で株式を取得します。
遺言がある場合は、その内容に基づき後継者が自社株を取得しますが、遺言がない場合は、法定相続人全員の遺産分割協議により、自社株の承継者を決める事になります。
なお、自社株を承継した者には、相続税が課税されます。
自社株評価(相続税法評価)に対し、現経営者の遺産総額及び法定相続人の数に応じた相続税率10〜55%の累進課税です。
◆[贈与]
現経営者の存命中に、贈与契約により、後継者が無償で株式を取得します。
贈与契約は、贈与者(現経営者)の意思表示と受贈者(後継者)の受諾により成立し、贈与契約があった旨の証明として、贈与契約書を作成する事が一般的です。
なお、自社株を承継した者には、贈与税が課税されます。
自社株評価(相続税法評価)に対し、贈与税率10〜55%の累進課税です。
◆[売買]
現経営者の存命中に、譲渡契約により、後継者が有償で株式を取得します。
相続・贈与と異なり、譲渡する自社株と引き換えに金銭等の対価の授受が生じます。
なお、自社株を譲渡した者(現経営者)には、譲渡所得税等及び住民税が課税されます。
自社株の譲渡益に対し、譲渡所得税等及び住民税率20.315%の課税です。
一般的には、事業承継の種類が親族内承継(親から子など)の場合は相続又は贈与、親族外承継(内部昇格など)やM&Aの場合は売買となります。
また、早期に後継者の地位の安定を図る為に、戦略的な株価対策・承継を行う場合には、タイミングが読めない相続ではなく、事業承継の種類に応じ贈与又は売買が選択されます。
その他、承継の進め方(全株式を一時に実行、若しくは後継者の成長と共に段階的に実行)や将来株価(会社業績等を踏まえた上昇想定又は下落想定)等も考慮し、方針を検討する必要があります。
これらの内容ついて更に詳細を知りたい方は、ぜひ経営相談室をご利用ください。