今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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理念を策定したけれど、策定で終わってしまっている気がします。
時間が経てば、そのうち浸透するのでしょうか。
あるいは浸透しない理由があるのでしょうか。
理念と業務を結びつける仕組みを作る等が必要です。
理念策定はゴールではなく 、ゴールは、社員が物事の判断基準として理念を日々実践し、成果を上げられるようになることです。 
では、社員が理念を日々実践し、 成果を上げられるようになるには、どんな取り組みが必要なんでしょうか。 
どんな取り組みが必要か考えるに際して、まず、NGな3つのパターンについてお伝えします。 
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1.理念によって社員を動かそうとする。 
2.理念浸透には時間がかかるので、 無理せず次第に浸透するのを待つ。 
3.必要に応じて理念を伝える。 
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まず一つ目は「理念策定によって社員を自分が思う方向へ動かそうとする」ことです。 
確かに、理念(特にバリュー:行動指針)は、ビジョン実現につながる、望ましい思考と行動を言葉にしたものです。社長は、社員にバリューに沿って考え、行動してほしいと考えますが、なかなか思う通りにならないことも多いです。
なぜなのか?を考えると、いくつかの理由が考えられます。たとえば 
・社長と社員の心理的な距離が離れており、社長の意図を理解して、行動しようという意欲が乏しくなっている…。 
・社長は口では理念が大事と言っているけれど、自分自身は理念を実践していないのでは?と社員に思われてしまっている…。 
このようなケースでは、社員が理念を実践しようとは考えにくいでしょう。 
理念によって社員を「自分が思うように動かそう」とするのではなく、社長自らが「変わろう」、「成長しよう」 としている姿勢を見せ続ける。その姿勢と意欲が社員を動かす力になります。 
二つ目のNGは「理念浸透には時間がかかるので、 無理せず次第に浸透するのを待つ」です。 
これの何がよくないのかというと…。ただ、待ったからといって勝手に理念が浸透することはほぼないからです。 
時間がかかることは事実です。 ただ、何もせずに自動的に浸透することはないです。理念浸透するように日々取り組みを継続することが必要です。 
三つ目のNGは「必要に応じて理念を伝える」 です。 
これの何が悪いのかというと、 継続的な取り組みにプラスオンで、必要に応じた取り組みを行うのであれば、 何も問題はありません。必要に応じてしか、理念を伝えていないとしたらそれでは浸透は望めないでしょう。 
理念はときどき伝えるものではなく、日々伝え続けるものです。日々、理念を介したコミュニケーションを行うからこそ、咄嗟の判断において、また有事の判断において、理念を物事の判断基準として使えるようになるのです。 
社員が理念を実践するようになるには 
1.社長がまず一番に理念を実践する。不完全でも努力する背中を見せ続ける。 
2.理念と業務を結びつける仕組みを作る(日報、人事評価、1on1面談等)。 
3.社長から理念を伝えるだけでなく、社員からも理念を発信してもらう。 
などの地道な継続が必要です。