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既存事業が立ち行かなくなり、思い切った事業の再構築を考えています。リスクの高い新事業を成功に導くには、どのように事業戦略を立てればいいのか教えてください。
成長機会を見つけて、リソースの最適化と知的資産の活用で戦略を練りましょう
既存事業の延長では業績の回復が困難な場合、新たな市場に新たな商品・サービスを投入して事業再構築を図るという選択肢を取ることが有効になります。しかし、この場合、失敗するリスクも高くなります。新事業を成功に導くには、需要が見込める市場を見つけ、自社の独自資源を活かし、新市場での競合との差別化を図ることが重要です。そのためには、以下の手順で事業戦略を立案するのが効果的です。
1.内部環境の分析
強み(お客様が競合でなく自社を選ぶ理由)を整理し、強みを支える独自資源(知的資産等、競合に真似されない理由)を抽出します。
2.外部環境の分析
マクロの視点(社会、国際情勢、経済、産業、イノベーション等)とミクロの視点(市場、法規制、顧客、競合、仕入先、中間業者等)で自社に影響を及ぼす環境変化を分析します。その中から、自社にとって機会(チャンス)となる市場を見つけます。
3.新市場の需要予測
機会となる市場の需要(顧客数、需要金額)を入手できるデータから推計し予測します。その上で自社が獲得できると思われる顧客規模を見積もります。
4.新市場での競合との差別化ポイントの設定
新市場での競合に勝てる差別化ポイントを設定し、独自資源を活用して差別化を実現する方法や仕組みを検討します。
5.目指すべき事業コンセプトの立案
外部環境の分析で明らかになった新事業での機会が、どの戦場(市場・地域)に存在するのか、どのようなお客様に対して、どのような価値を提供できるのかを考えます。一方で、既存事業の停滞で余剰となった資源(人員、設備、スペース等)を新事業に再配置したり、既存事業で培ってきた知的資源(技術・ノウハウ等)を新事業にどう活用するのかを考えます。これによって新たな強みを設定し、それと機会から得られたお客様が求める価値(新たに提供する価値)を連結できれば、成功の可能性の高い事業コンセプトが出来上がります。
6.市場の課題を解決する商品・サービスの立案
新市場でのお客様の困りごとを解決できる新たな商品・サービスを企画します。
7.ビジネスモデルの作成
新事業のビジネスモデル(ビジネスの構造、仕組み)を整理します。